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2016/11/19

ボリビアで見たキタのダイチ

ちょっと間が空きました。引き続きよろしくお願いいたします。

開業したときは生産地のことなど想いを馳せることもなく、コーヒーオタク時代を通してもコーヒー豆(焙煎豆)とか淹れ方には強烈な興味がありましたが、海の向こうのことなど知る由もありませんでした。ところが、1999年10月、スペシャルティコーヒーに出会い、自分が慣れ親しんで来たコーヒーとの違いに唖然とし、一体これはどういうことなのかが気になり、知りたくてドタバタしていた頃を懐かしく思い起こします。

改めてコーヒーの勉強に必要性を強く感じながら、前に進めば進むほど生産地への想いは募って行きます。やがてはじめて生産地に赴き現地の空気に触れ帰国し、小さな自分を客観視し、そんな自分に何が出来るかを考えて考えて、また産地に行って....を繰り返して行く中、ホンジュラス西部にある電気も水道もないカングアル村の皆さんとの出会いはとても大きくはじめて生産者を意識させてくれた方々であります。この辺のお話しは、話せば長くなるし何度もあちこちで書いているので割愛します。(笑)
とにかく生産者=スペシャルティコーヒーを意識させてくれた方々がカングアル村の皆さんでした。感謝しています!
前置きが長いですね、相変わらず....(笑) ここからが本題です。
その後、その前後からカップ・オブ・エクセレンスの審査員も含め、色々な生産国に行かせていただきましたが、ボリビアのアグロ・タケシ農園にはじめて行ったときに見た光景が目に焼き付いて離れないのです。その時、もし誰かに「どこの国のコーヒーが好きですか?」と聞かれたら「ボリビアです!」と答えようとその光景を見た瞬間に決めたんです。

その後、あるマスコミの方との歓談の際、「あれ、横井さんの一番はホンジュラスでは?」と突っ込まれてしまいました。すぐさま、「いやほんの僅差で二番目になってしまいました。」と(笑)だってね、これ見てくださいよ、と、下↓の写真を見ていただきながら次の通りご説明したわけです。

P1240290 ▲谷間に流れるのはもちろん、タケシ川

この光景を見たとき、キタのダイチ北海道と重なったんです。
ものすごいスピードで頭の中を駆け巡りました....しかも天然色で....
炭鉱町、アイヌ先住民族とボリビアのコロニーと重なったのです。
ボリビアでは元々、鉱山従事者が集団居住を行い、「コロニー」というコミュニティを作って暮らしを営んでおり、これらコロニーの方々にコーヒーの栽培が伝わり盛んになりました。

そして、ボリビアコーヒーの素晴らしいバランスは他の生産国では代用できない特有の魅力があると思うんですね。そして、またその素晴らしいコーヒーを私たちにもたらしてくれる輸出業者のアグリカブ社の方々の熱い想いも加わり横井力にとってかけがえのない生産国なのであります。ではまた!

2016/11/01

お店の中に現像スペース!?

先日は久しぶりに終日本店でサービスドリンクを作ったり接客させていただいたのですが、たまたま古くからのお客様が相次いでご来店になり、懐かしい話しに花が咲き、改めて多くの方々に支えていただいての20年であることを実感した次第です。

じつのところ、ここ発寒本店はあくまでも焙煎機を置く工房スペース兼自宅として開業の半年前に購入したわけで、お店としては考えていませんでした。ところが宅配のコーヒーをご評価いただいたお客様が少しずつお店に見えるようになりました。

看板もなく住宅街に似合わない太い煙突が二本そびえ立つ古い建物。
さぞ、ご近所の方にとりましても怪しかったに違いありません。(笑)

お客様より、住所を尋ねて行ったけど、普通のおうちでしたし、看板もなく心配になりました.....というお声が絶えなくなり、いよいよもってお店を作ることが急務となりました。

退職金を叩いて安くやっていただくことになりましたので、要望は最低限に....(笑)というか置くものだけを伝え、レイアウトもほぼお任せ。しかも工程も工務店任せで(笑)じつにほのぼのしてました。

それでも唯一主張したのが、壁紙ではなく木のぬくもりを生かすこととフィルムの現像のための「暗室」でした。

看板は本当にお粗末なものでしたので、設計段階のものを親方が現場で却下し、ご友人の看板屋さんに頼んで制作してくださり、開店して10日後に据え付けられました。今は本店の店内に飾っています。

その暗室は2度目の改装で撤去されてしまいましたが、懐かしい思いでの一コマを刻んでいます。仕事中に現像出来るほどの忙しさ(笑)ですから、お客様もご存じで「横井さんいないのー、買い物に行ってくるから挽いておいてね、いつもの!」こんな会話が飛び交っていました。暗室では配達先のお客様やご来店のお客様やご家族、お子さんなどお断りをして撮影したスナップ写真。思えば生まれたお子さんも20歳か、そんな事を考えていたら先日、「横井さん娘子ども産んだの....いつもお店に来ると泣いてたあの娘がね...」と嬉しそうに話してくださった。

この頃の写真をデータ化したいなとずっと思いつつ時間だけが経ってしまっていますが、いつかご覧に入れたいと思っています。ではまた!


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2016/10/28

ノンちゃんと暮らして3年と4ヶ月が経ちました

ノンちゃんは2013年6月13日、色々な事情で元のお父さんとお母さんと一緒に暮らすことが出来なくなり、ご縁があってうちの家族の一員となりました。(セロくん:5月29日で8歳  ノンちゃん:10月12日で9歳)
うちに来た時はかなりのおデブちゃんでじーっと動かないでいることがほとんどでした。これはまずいと危険を察知し、ノンちゃんには敬遠されがちの散歩も根気よく促しては習慣にするよう心がけました。

散歩では公園で猛ダッシュしたり、冬は雪の中でごろごろして遊ぶセロくんも、ストレスを感じつつもノンちゃんに合わせながら散歩する姿がとても印象的でした。

そんな甲斐もあって、2年ががりで42kgあった体重が25kgまでダイエットに成功しました。うちに来た時は階段すら上り下りできなかったノンちゃんが活発になり、セロくんと取っ組み合いの喧嘩までやれるようになりました。

歴代の家族、キャバリアのファルちんも女の子でした。2歳で前のお父さんとお母さんとお別れしてうちに、そして猫のチャンプさん(♂)は通っていた動物病院の前で捨て置かれていたところを保護されてうちにやってきました。なので、お父さんお母さんとお別れしてうちに来た子はノンちゃんで3回目です。これもご縁ですね。

色々なことがありましたが、うちの奥さんの手厚い愛情によって変わっていくノンちゃんを見ても正直あまり関心がなかった自分もいつの間にかセロくんと同じように接している事に気づきました。女の子なのでかわいいですね、仕草とか甘え上手でちゃっかりしてて。

そこいくと、セロくんはとっても偉いんです。(親ばかでごめんなさい)
ずーっと僕と奥さんの愛情を独り占めしていたのですが、ノアには僕とか奥さんの膝を譲るんですよ。しかも何度も....(今は私たちの膝を奪い合いますがw)空気を読めるんです。すごいなと....

僕の目の前で他に譲る精神と受け入れをやってのけたんです。「とーちゃん、ちゃんとやれよって」促されてしまった。口では簡単にそこは「譲らなきゃ」とか「受け入れだよね...」なんて云えますが、中々どうして、簡単にはいかないものですよね。そこ行くとセロくんは、俺のかーちゃんととーちゃんなんだから、俺の方が先にここに来たんだから....という葛藤の中にあって、さらっとやってのけたんです。

「セロくん、偉いぞ、男らしいぞ、いい子に育ったものだ....」とぎゅっと抱きしめた夜のことは今でも忘れられない思い出です。

セロくんがうちに来た時から奥さんが何でも話しかけていたんですね。セロくんがわかってもわからなくても、それがよかったのか、とても気持ちの優しい子に育ったなと思います。

お別れせねばならない切ない思いもあれば、共に暮らすことを無責任にも放棄する人もいます。動物愛護の問題や殺処分のことなど目を覆う事実が絶えませんが、愛さえあれば彼らは彼らしさを取り戻し愛を持って私たちを癒やしてくれるお互い様の精神ですね。

今日の一枚は、チャーミングなノンちゃんショットです。ではまた!


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2016/10/27

趣味が仕事になったのでカメラでも....

会社員生活を17年経験し、退職のご褒美にライカM3を買いました。
趣味がコーヒーだったのでそれに変わる趣味を強制的に見つけななければなりませんでした。(笑)退職の翌日よりにわかに横井珈琲がぼちぼちはじまったので、お店を作る暇もなく宅配からスタートすることが自然な流れでした。ですので、時間と場所を選ばない趣味としてはカメラは打ってつけだったのです。

そう言えば、もう一つ。
趣味と云えばオーディオがありましたが、レコードを聴くのが趣味であって、オーディオにやたらと詳しいわけでもなくマニアでもなく、お金が許す範囲内でいい音源で聞きたいな....程度のプチマニアでした。むしろ、マニアと言えばレコードでした。原盤がどうのこうのではなく、レコードの数がほしかったのです。色々聴きたかったので数がほしかったのです。むさぼるように聴きあさりコンサートにもよく出かけました。このまま続くと本題から逸れていくのでまたの機会に。

配達の合間に街の風景や人並みを撮るのですが、なんだか心が躍りません。
当時の家族、チャンチャマイオ(通称チャンプ雄猫)をモデルに色々と勉強させてもらいました。猫は気まぐれだしセロくんのように、マテ!は通用しませんから。(笑)
この時、自分は心が通い合う家族や人物、あるいは心が通い合うであろう人を被写体にするから「心が躍る」ことを体感して以来を感、被写体の多くは人物、家族(特に犬や猫)になったわけです。

そこで、開店当時は配達に行ってはお客様と会話しながら玄関口やお庭で何気に写真を撮り、次回の配達の時にその写真をプレゼントしていました。ご来店のお客様にも同様に....モノクロですが、自分で現像したものです。

今想えば大変のどかな毎日でした。
この頃はスペシャルティコーヒーの興隆前の頃です。

今日はこの辺で、ではまた。

本日の一枚もセロくん
仕事が乗ってきた時を嗅ぎつけて「遊んでくれクレクレ」攻撃はおやつで気を紛らわしてもらってます。

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2016/10/26

ゆるめにブログを再開しようかと....

久しぶりのブログ。 特に思うところがあったわけではありませんが、この一ヶ月、久しぶりに会った友人や知人、また仕事の関係の方にも「昔書いてたあのブログ止めたの?」と立て続けに聞かれました。 大きな理由は「オンとオフ」の区別と時代背景や僕を取り巻く環境の変化などもありました。そんな中、おかげさまで20周年を奇跡的に迎えつつこの局面、ひとつの節目かなと思い、ゆるめに再開することにしました。あくまでもゆるめに(笑) コーヒーのことに触れる事があると思いますが、あくまでも「オフ」スタンスで、多くは、セロくん、ノンちゃんと写真のことを中心に綴っていこうと思います。イメージとしては僕のInstagram的ブログになろうかと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。アカウント名がyokoicoffeeにしてオフシャルではなく僕の...というのはおかしいのですが、ま、ここは大目に見てください。(笑)流れで見なしオフシャルからのオフシャル、と相成りました。

さて、昨日は、本店定休日につき、パセオ店に顔を出し、諸々の用事を済ませ、お昼は久しぶりに紅茶などなどでお世話になっている、THE BEST MAMMYさんでおいしいお昼をいただき、近所の前田森林公園でセロくんとノンちゃんを連れて遊んできました。ではまた!

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2015/03/26

舞台を支えるチカラ

東急ハンズ札幌店において開催中のHANDS COFFEE FESでは、エスプレッソマシーンを設え、はじめての試みとしてスタンド形式でコーヒーの試飲会を行なった。はじまりは2012年10月、色々なご縁と人の繋がりから小さなセミナーを持たせていただき、豆売りもそのタイミングで同じく小さなスペースをいただいた。おかげさまで反響があり、翌年は「HANDS COFFEE FES」として規模も期間も大きくなり、丸山珈琲の阪本トレーナーとのコラボセミナーも実現した。自分の中では4回目のイベントであるが「FES」としては3回目の開催はスペシャルティコーヒーの世界をまた一回り大きく発展させたように思う。

青木、高梨、石場の3名のスタッフも試飲会がんばりました。石場は「女子会」という切り口ではじめてセミナーの講師も務めさせていただくチャンスをいただいた。私はどうしてもスタッフのシフト調整がつかず、一日だけまさかのはじめてのバリスタ。13時からスタートしましたが、16時過ぎまでお客様は途切れることがなく、ついに牛乳が底をつき2度も買いに走ってくれたこのはのイベントの仕掛け人。これほどコーヒーをお淹れしたことはない。時にはカプチーノのハートがゆがんだりもしたけど(笑)精一杯がんばらせてもらえて疲労感よりも感謝の気持ちでいっぱいになった。同時に身をもってバリスタというコーヒーのナビゲーターに改めて尊敬の念が湧いてきた。

舞台を支える人がいないことには何も始まらない。HANDSさんの担当の方々をはじめ関係者オがんばりがあっても、それを愉しんでくださるお客様があってのこと。支える力はいつも舞台では目立つことはない。

バリスタはその支えるチカラに押し出されるようににて舞台に立つ。つまりみんなの分身だといつも思っていた。そして、海の向こうの生産者のまことから生み出される素晴らしいコーヒーチェリーは焙煎行程を経て「コーヒー豆」と生まれ変わる。ポリタフィルターにコーヒーを詰めて抽出してやっと完結。コーヒーという名のバトンをお客様にお渡しし任務を終える。

今度はお客様の「おしいい!」をこちらから感謝のエネルギーと共に海の向こうの生産者をはじめとする関係者の方々に友情とと共に繋いでいく。このことはホンジュラスのカングアルで出会った方々と青い空に誓って以来、決して変わることはない。その小さな誓いは年々大きくなり現在に至っている。ありがたい。

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2015/02/23

スタッフが作ったはじめてのブレンド

ご無沙汰しておりました。
ちょっとうれしいことがありましたので久しぶりの投稿です。開店以来ずーっとブレンドの開発や微調整なんかは私の仕事でした。でも困ったときや迷った時は決まってスタッフに相談していました。(笑)そろそろみんなにもやってもらおうかな、と思い立ち、切りよく春のブレンドからお願いしたんです。今日、そのことが工房横井珈琲Facebookページにアップされていますので、ぜひご覧ください。

横井の春夏秋冬はかねてより卒業したいと思いつつ、3年もの時が流れてしまいましたが、今回で横井なし(笑)でリニューアルした季節のブレンドは「リラ・ブレンド」札幌の春を連想していただく思いが込められました。今後、毎年春の訪れと共に「リラ・ブレンド」を愉しんでいただけるとうれしいです。

さて、ブレンド作りが変わったのはガトー・ド・ノポロの梶原さんやブーランジェ・コロンの高崎シェフェに出会ってからで、今から4年と少し前です。この焼き菓子に、このパンに...と考えていくうちに背中を押されるようにスルスルとイメージに合うブレンドを作ることが出来ました。そのうち、イメージに集中させていくと、一口コーヒーを飲んだだけで「あ、これはあれに、あれはこれに合うな...」とかイマジネーションがどんどん高まっていきました。

これがまた愉しいんですね。

そして、ペアリングだけではなく、季節や時としてお店のオリジナルブレンドも作らせていただく機会も徐々に増えていきました。私のブレンドの信条はバランスです。
飲み飽きないバランスのよさ、後味の余韻も大切にします。そしてそれが、コンセプトと一体感が生まれればもう云うことはありません。ではまた!


Dsc09018_1 ▲仙川のとあるカレー屋さんでいただいたカレーと、このカシスのシャーベットがおいしかったこと。

2015/01/27

ブラジルCOE・レイト・ハーベストから戻りました!

ブラジルCOE(カップ・オブ・エクセレンス)レイトハーベストの審査を終え、シカゴから成田に向かう機内で書いています。私のFacebookや工房横井珈琲のFacebookページ、あるいはまたJapan Roasters' NetworkのFacebookページでも今回の様子をお知らせしていますので、ここではちょっと角度を変えて書き進めます。

 

Dsc08660▲1位のSitio Biaixadao農園のオーナー、Antonio marcio da Silvaさん(右から3番目)

去年のブラジルCOEアーリーハーベストは1999年に第1回目のCOEベスト・オブブラジルが開催されてより100回目を迎え、これまでこの品評会を支えてこらえた伝説とも云うべき審査員方を招いての記念開催となりました。ITC国連プロジェクトから発展し、国際品評会への高まり、さらにはインターネットオークションを開催することを提唱されたスージー・スピンドラー女史は、この記念開催をもって最高責任者としての大役を退かれました。スペシャルティコーヒーの原点を底辺から支え、発展に導かれたご功績は自分の中では例えようもありません。

どこまでも小規模生産者に分け入り、最前線で支え取り組まれました。私は正義心の強い姿に非常に感銘を受、品評会でご一緒させていただく度、背筋が伸びる思いでした。大役を終えたスージー・スピンドラー女史に心からの感謝と共にこのプログラムの立ち上げから20年余り、その遺されたご功績に心からの敬意を表します。ここに一つの歴史が刻まれたように思います。そして、ここからが新しい歴史の始まりです。



P1130489 ▲2010年ルワンダCOEのスナップ(真ん中がスージー・スピンドラー女史)


そんなたくさんの思い満タンで迎えた2015年最初の品評会も奇しくもブラジルからスタート。アラシャというミナスジェライス州のセラード・ミネイロ地区の小さな町にある大学の施設をお借りして行われました。初日はおとなしめなナチュラルロットが大半を占めましたが、2日目から腰を抜かしそうなロットが幾つか現れ、「そうこなくっちゃ…」と、心の中で審査中につぶやいたのでした。 最終日のトップ10では4つのロットが90点を超えるプレジデンシャル・アワードに讃えられました。この品評会の魅力は生産者に敬意を表し賞賛を讃えるところにあると思います。一年の結果ですからね。

そして、このセレモニーは生産者の晴れ舞台なのです。そんな思いが反映してか、トップ10からの発表は審査員全員が立ち上がって拍手で讃えたのです。その輪の中にいることが出来たことは本当にありがたく感謝の気持ちでいっぱいでした。

そんな中、サマンバイア農園が20位に入賞したカンブライアさんは本当によろこんでいました。審査員として参加されていたACEの(カップ・オブ・エクセレンスを運営するNPO団体。Alliance for coffee Excellence)のシェリー・ジョーンズさんがカンブライアさんと私を前に祝福してくれました。彼女も長い間、このプログラムを支え続けている尊敬するカッパーであります。



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▲カンブライアさんとACEのシェリーさん


そして、カルモコーヒーズのジャックスさんが6位に入賞のアナウンスが会場に響き渡った時、感激はもちろん、現地でお祝いできたことがありがたく、カンブライアさんをはじめ共に歩んでくれた10数年の道のりを思うとき、決して楽な道のりではありませんでしたが、とても感慨深く思わせていただきました。 ことにサマンバイア農園のあるサント・アントニオ・デ・アンパーロは特に雨が少なく、コーヒーの生産にとても苦労されたとお聞きしました。それだけに入賞のよろこびは大きかったのだと思います。よろこびあう、分かち合うことこそ、特別な思いが募ります。


Dsc08663_1 ▲ジャックスさんと奥様のマリアナさん


カンブライアさんに「皆に見せたいから賞状を持って写真撮らせてください!」と伝えると、「ヨコイサンモッテ!カンブライアサン、シャシントリマス!」とにっこり微笑んでくれました。そして僕のiPhoneを手に取り撮影してくれたんです。(笑)うれしかったな。


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コーヒーの仕事を選んで開業した19年前、生産者のことなど知るよしもなく過ごしていた脱サラコーヒーマン(笑)は、ITC国連プロジェクトによって生産者の素晴らしさとスペシャルティコーヒーを知るきっかけとなりました。ですから、このカップ・オブ・エクセレンスのプログラムに私自身が育まれたと云っても過言ではありませんし、数多くの素晴らしい生産者との出会いは落札を機にお付き合いが始まりました。

さて、1位の農園はカツアイという品種で赤い実と黄色い実をミックスして作った特別ロットで挑み、見事1位に輝きました。セレモニーの時、わずか5ヘクタールの農地とお聞きし更に興奮が高まりました。息子さんとご一緒にセレモニーにお越しになられていましたが、顔をくしゃくしゃにしてステージに向かうオーナーと息子さんの表情にまたぐっときてしまいました。 この品評会のインターネットオークションは3月です。その結果を愉しみにお待ちください。

待望のお寿司をいただいて大満足。また明日から変わらない毎日を精一杯大切に過ごして参ります。もう少しで搭乗時刻。セロくんとノンちゃんが待つ、キタのダイチに帰ります!ではまた!

2015/01/20

2015年COEブラジル・レイト・ハーベスト/第一日

1月17日出発の朝は大雪の札幌を後にして、約1時間半遅れで成田空港に到着。夕方の便でシカゴを経由し、ブラジル・サンパウロのグァルーリョス国際空港到着。いつもだったら(買付)空港から陸路でカルモ・デ・ミナスやサント・アントニオ・デ・アンパーロと馴染みある生産地に向かうわけですが、今回は国内線のサンパウロ・コンゴーニャス空港から乗り換えて、約1時間と少しのフライトを経て、ウベルランジア空港に到着。そして、お迎えの車に乗って約2時間半のところにある、セハード・ミネイロ地区のアラシャという町に来ています。大雑把に言えば家を出てからたっぷり2日間の旅路です。

ご存じのとおり今、ブラジルは夏です。連日30度を超える夏日です。さて、今回の品評会はナチュラルプロセスを対象としたもので、近年のブラジルのナチュラルプロセスはクリーンな味わいに優れた風味特性を持った素晴らしいコーヒーが生産されています。

国内審査を経て、国際審査に残ったロットは44。4日かけて2014年に収穫されたもっと優れたコーヒーを選びます。私のCOEのデビューは2007年のニカラグア開催でしたが、そこの頃一緒に審査した方々はほとんど見かけなくなりました。今回も初めてとか3回目の参加という若い審査員が見だちます。また、オブザーバー参加も7名と例年から比べ若い審査員の参加が目立ち、アジア圏からの参加者の割合が高く、一頃ヨーロッパ勢が多かった時代を感じさせる本品評会です。

味の摺り合わせ、カップ・オブ・エクセレンスの品評会を運営するACE(Alliance for coffee ExcellenceというNPO)のプレゼン、地元のスポンサーからのプレゼンが一日かけて行われました。

品評会では、一年かけて精一杯生産したコーヒーばかりが並びます。いつもながら生産者の皆様に敬意を表し、襟元を正す思いで全力で審査にあたります。生産者の晴れの舞台は明日、幕開けです。


Dsc07965_2 ▲カリブレーション(味の摺り合わせ)の様子
Dsc07949_2 ▲ACEのシェリーさん、ヘッドジャッジのクリスさん

2015/01/08

年の初めに生産者のことを想う

コーヒーの味は焙煎で創られ、抽出で完成する....と勝手に豪語していた開業当初の頃を懐かしく思い出します。昔も今も確かに焙煎はとても大切なファクターでありますが、スペシャルティコーヒーに出会った1999年秋、その考えは音を立てて変わりました。(笑)「品質なんだ....」ということです。

自分の思いをコーヒーに足してもいけない、また生豆の個性を引いても(無くしても)いけないということを知ったときはちょっとショックでした。(笑)今から15年も前、何もわからなかった自分はちゃんと学ばねばならないと猛勉強をしたつもりでしたが、さっぱりわかちゃいなかっんですね。基本が出来ていなかった。その頃、Japan Roasters' Networkの皆に出会いました。焙煎はもちろん、カッピングも必死に勉強しはじめました。SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が設立されセミナーにも足繁く通いました。振り返るとその頃でもやはりわかっちゃいなかった。わかっていないという認識がなかった。かなりの重傷(笑)

はじめての生産地はエルサルバドルとニカラグアでした。その翌年の2007年、カップ・オブ・エクセレンス(COE)の審査員として再びニカラグアへ。極度の緊張でガチガチでした。そこで今まで味わったことがないカラダの中心から沸き上がる感動を味わったんです。後にWBCのジャッジも担われたアメリカの審査員がファイナルラウンドが終わった瞬間こう云ったんです。

「みんな国に帰ったら、ニカラグアにはこのように素晴らしいコーヒーがあることを伝える義務がある....」会場はスタンディングオーベーションです。

このロットは全員一致で90点以上でヘッドジャッジのシルビオ・レイテ氏は100点を付けました。この時、「そうか、生産者って凄いんだな、素晴らしいな」と、思えたと同時に、カップ・オブ・エクセレンスのプログラムの素晴らしさにも感動しました。焙煎人が偉いと思い込んでいた頃を思うと顔から火が出そう(恥)
更に、2008年はグアテマラのCOEに参加。この時はあのエル・インヘルト・ウノ/パカマラが当時の最高価格で落札された時です。圧倒的な香りと質感に感動。最終ラウンドは否応なしに盛り上がり、圧巻の全員90点以上でチャンピオンに。(前日まではその素晴らしさを理解できず自分の中では1位ではなかったことがスコアシートから読み取ることができた時、しっかり落ち込みました(笑))

そして、2009年はホンジュラスCOEの品評会に。このブログを読んでくださっている方はご存じの通り、ここでカングアルの生産者の皆様に出会ってしまったんです。もうあの時のことは忘れられません。私の原点がこの地図にもないトイレもないカングアル村です。

この方々のために自分は何が出来るのかを自問自答し、目的と目標がはっきりと定まった時でもあります。

2004年、はじめてのCOEが開催され初代チャンピオンのグレゴリさんと落札を機にお付き合いが始まり、カングアル村の小規模生産者にご縁が繋がりました。詳しくは過去ログに譲りますが、今年はカングアル村の中でも特に素晴らしい生産者のロットをバキュームパックで買うことが出来ました。長い時を経て品質向上策がここに実ったことを思うと胸がいっぱいになり、テスト焙煎をしてまた胸がいっぱいになり、カッピングをして胸がいっぱいになりました。そのコーヒーはマリア・アルカディアさんのコーヒーです。(まだ小ロットで複数ありますので、順にご紹介していきますね)

この他、今年はコスタリカからもいくつかとても小さいロットで細かく特別なロットが届いています。これを機会に去年の春にお終いにした「FERTILE」を復活させようと計画しているんです。(スタートは2008年12月)

焙煎している時もカッピングしている時も、みなさん(生産者)の顔が思い浮かんできますので、遠くて近い存在がとても心強いのです。また、海の向こうの「叔父さん」「叔母さん」のような安堵感と支えてくださっている感覚がとてもありがたいのです。この思いだけは誰にも譲りたくはありません。

ーFERTILEとはー
1 〈土地・土壌が〉肥えた,肥沃(よく)な.
2 〈人・動植物が〉多産な,繁殖力のある;〈土地・気候などが〉(…を)豊富に産出する((in ...));豊作をもたらす


詳しくは近日公開のオフィシャルブログでお届けいたします。ではまた!


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▲オーナーのマリア・アルカディア・ベハラーノさん

«ガトー・ド・ノポロ梶原さんと4回目のバレンタインギフトコレクション

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