バリスタとスペシャルティコーヒー その3
バリスタ修行一年生の様子やブログでお伝えしましたとおり、おいしさというものは、素材だけではなく、焙煎だけでもなく、抽出だけでもないこと。
種からお客様が手に持つカップまで全てにおいて一貫した関わりを持つこと、そのプロセスを理解しておくことの一端を体感できたことと、理解していたつもりが、頭の中だけだったと言うことを発見できたことが大きな収穫でした。
そう考えると気が遠くなるような気もしますが、実はそのちょっとの「さじ加減」と言いましょうか、焙煎にしましても、生産現場におけるプロセスや抽出にしましても、ちょっとの違いが大きな違いなのだと思い知らされたのは、バリスタトレーニングでの最初の実践にありました。
この日のために精一杯考えた通称「横井の勝負ブレンド」
その素材の素晴らしさを毎日のカッピングで検証済みだったからこそ選んだ豆達。
エスプレッソというわずか25CCほどの液体になった時、それがどのような表情を見せてくれるのだろうか。全く想像も出来ませんでした。
座学が終わり、早速実践。
トレーナーは丸山珈琲の阪本さん。アシスタントには丸山珈琲リゾナーレ店の店長であり、昨年のジャパン・バリスタ・チャンピオンシップにおいてファイナリストバリスタの宮川さん。
宮川さんがお手本を見せていただき、さっそくエスプレッソをいただくと.....
いやぁ〜来てよかった....とおいしさに感動。(全くの自画自賛)
すると、阪本さんが「さ、横井さんの番です!」と言われ、座学の復習をしつつやってみたところ....なんじゃ、こりゃぁ〜。全然うまくない。はっきり言ってまずいのです。はい。(笑)
それはまるで、御輿の上に登りつめる寸前にはしごを取られたような、美味しいものを前にお箸を持った瞬間にそのお箸を奪われたような気持ちで一杯になりがっくし...ど、どういうこと!?(笑)
それからが大変大変。
その奥深さを知ったとき、バリスタという職業に対し、尊敬の念と大会で勝ち抜いていく努力と苦労を思うとき胸がいっぱいになりました。
次いで苦労したのがカプチーノのフォーム(泡)作りです。
温度と泡のキメによってこれまた一喜一憂。お手本を見せてくださった宮川バリスタのカプチーノにまたうっとり。シアトルでの感動確実に、そして鮮やかに蘇りました。
最終日にはなんとかキメの細かいフォームの上にハートらしき模様を描くことが出来、ほっと胸をなで下ろし軽井沢を後にしました。
心底思ったことは、エスプレッソと適度に作られたミルクフォームはコーヒーの持つ風味特性を際立たせ、コーヒー感も向上するということでした。
益々、スペシャルティコーヒーの魅力に一歩近づけた気がいたしました。
その時、思ったのです。
「北海道からもファイナリスト輩出のお手伝いがしたい!」そう心に決めることが出来た、初めてのバリスタ修行でした。
肝心のエスプレッソマシーンはちょっと諸事情で遅れていますが、スペシャルティコーヒー+エスプレッソ系ドリンクのまっちんぐぅ〜の素晴らしさと楽しさを一日も早く実現し、ご来店のお客様に楽しんでいただきたいと思っています。
以上、三話に分けてお伝えして参りましたが、横井がエスプレッソ系ドリンクに魅せられ、カフェでもないのにエスプレッソマシーンを導入したいと願ってきた横井のキモチなのです。ではまた!
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