フォト

他のアカウント

« 南米の旅路その20/カルモ・デ・ミナス2日目その3 セルトン | トップページ | 南米の旅路その22/カルモ・デ・ミナス3日目 水の公園 »

2011/09/04

南米の旅路その21/カルモ・デ・ミナス2日目その4 イペ

セルトン農園を後にした私たちは一度、サンローレンソの町に戻って昼食を済ませた後、夕方、再び、カルモ・デ・ミナスに戻り、イペ農園の生産処理を見に行きました。

イペ農園はセルトングループの創始者、イシードロ・ペレイラさんの頭文字(IP)をとってつけられた名称であることは前回のブログでお伝えしたとおりです。

この農園はジャックスの母方のファミリーの流れで、後でご紹介するグロッタ・サオン・ペドロ(2010年ブラジルCOE1位)はジャックスの父方のファミリーの農園です。

そして、イペはルイス・パウロの父方のファミリーの農園で、母方のファミリーの農園がセハードです。どの農園もカップ・オブ・エクセレンスの入賞経験があり、カルモ・デ・ミナスを代表する素晴らしい農園です。

【7月31日】

暮れ始めの陽に包まれるイペ農園のパティオ(乾燥処理場)

P1260163

P1260183

今回はルイス・パウロの父方の農園と云うことで、彼が案内してくれました。どこに行っても、あの山があの農園で...という会話になります。

P1260166

私たちと深い縁のある農園は尾根伝いに連なり広がっていることが分かりました。どこの農園でもよい時とそうでない時があるのは、長い間触れてきた体験で知ることが出来ます。

例えば、クリスティーナ村のアグア・リンパは2002年のカップ・オブ・エクセレンスで落札しました。その時の2位は、同じ山のサンタ・エレナでした。

やはり、高品質のコーヒーを生み出す条件には共通点があるこ、そしてそこではコンスタントによいコーヒーが生まれるんですね。

土壌、標高、降雨量、マイクロクライメイト(微小気候)によって育まれるコーヒーチェリーの謎解きの一端に触れることが出来ました。

ルイス・パウロやジャックスのお父様もお祖父様も、昔、ロースターと直接取引をした経験があることを聞きました。時は流れそういったビジネスから遠のいていた中に、1999年にブラジルで行われたカップ・オブ・エクセレンス(正しくはベスト・オブ・ブラジル)によってブラジルコーヒーを見る世界の目が変わり、ブラジルにおけるスペシャルティコーヒーの生産が本格化していきました。

そして、その流れの中で大きなうねりとなったのが、2002年のカップ・オブ・エクセレンスでチャンピオンになった前述のアグア・リンパでした。

それまでこの地域のコーヒーはチェリーをそのまま乾燥処理する伝統的な処理方法である、ナチュラル製法でしたがパルプトナチュラルという処理方法によって今までにはない新しい高品質なブラジルコーヒーが誕生しました。

しかし、このパルプトナチュラルという処理方法にはそこそこの地域にフィット(土壌、標高、降雨量、マイクロクライメイト)するかどうかが問われてくるんですね。

たちまちその周辺の生産者にパルプトナチュラルという生産処理方法が広まり、現在に至っておりますが、それでもその歴史は10年です。

2011年のチャンピオンのグロッタ・サオン・ペドロ(カルモ・デ・ミナス)もパルプトナチュラルを導入して10年と云お聞きしましたので、ちょうどアグア・リンパがチャンピオンになった影響が大きいと思います。

当時の私たちにとって、カップ・オブ・エクセレンスのオークションに参加することは、かなり高いハードルでしたが、おかげで多くの生産国の素晴らしいコーヒーと生産者との絆を深めることが出来ました。

この10年間を振り返って思うことは、カップ・オブ・エクセレンスのインターネットオークションによって出会った生産者と継続したお付き合いが大切だということです。

そうすることで、その周辺の生産者やコーペラティヴ(協同組合)やコミュニティ、そのご親戚やご兄弟の農園と繋がって行けるのです。

キーワードは「絆」と「繋がり」です。

絆を深めて行くためにはコミュニケーションが必要です。

そのコミュニケーションが広がって、繋がっていく....そこにスペシャルティコーヒーの醍醐味があり、生産者と共によろこびあえる感動を強く感じるからです。

ですから、私たちはその「魅力」を余すことなくお客様にお伝えすることが使命です。

さて、イペ農園のパティの隣には牧場がありますが、馬の品評会で入賞するほどの名馬が生まれているそうです。

P1260169_2

チェリーを一杯積んだトラックが到着しました。処理方法は前回お伝えしたセルトン農園と同じ工程です。

P1260237

Dsc_0256

P1260242

グリーンセパレーターという選別機にかけられたチェリーは果肉を除去するため、ウエットミルにかけられた後(ペルガミーノと云います)、パティオに広げられ、ある基準に達した後、機械乾燥によって水分含有量が11%から12%ぐらいになるまで乾燥されます。

P1260253

P1260220

ここでもペルガミーノを攪拌するのはバイクです。

P1260194

徐々に黄昏れていくイペ農園。ここでも収穫から生産処理までのながれをロット毎に管理されています。

R0015467

乾燥工程を終え、ペルガミーノ(種皮)をドライミル(脱穀)にかけられたばかりの「生豆」

P1260200

農園を後にする前、ルイス・パウロがナランハ(オレンジ)をご馳走になりました。採れたて新鮮です!

P1260286

それがあまりにも甘くておいしかった!びっくりするほど!連続写真でお届けします!酸味があるのかなぁ〜...の表情。(笑)

P1260289

うわぁ〜甘い!

P1260290

あまりのおいしさに、こんな顔になってしまいました。(笑)

P1260291

次は伊東屋珈琲の伊東さんです。ではどうぞ!

P1260292

伊東さんは目がが寄ってしまいました。(笑)それほど、おいしかったんです。

P1260293

ワーカーさん達にご挨拶をして帰ろうとすると....イペ犬?がお見送りに。(笑)

P1260306

それもそのはず。丸山さんにたいそう可愛がってもらっていましたから。(笑)

P1260205

ワーカーの皆さん

P1260213

そして、ここでも人気だったのがポラロイド。(カンブライアさんのところでも大人気だった)やはり、写真がシールになるフィルムなるところが興味深いようです。

ルイス・パウロは買う気モード満々でした。SCAJカンファレンス(9月28日から30日/東京ビッグサイト)に来日の折、買って帰ろうかなぁ〜なんて云ってました。(紺のシャツの方は偶然居合わせた、ブルボンスペシャルティの方でした。)

伊東さんと私が必死にメモしたノートに記録のためにポラロイドで撮影した写真貼っているのを説明している丸山さん。

P1260181

生産者の顔や施設や場所などの名前を忘れないよう記録するため、ポラロイドカメラは欠かせないアイテムです。

P1260190

途中、冷たいお水をいただくため、ルイス・パウロの知り合いの農園のファゼンダハウスに寄りました。ここのお水のおいしさったらもう....

ここのお水はマンチケイラ山岳地域からもたらされるもので、 ミネラル・ウォーターの水源として知られています。

そこで、カルモ・デ・ミナスのお水のおいしさに非常に詳しい丸山さんが私たちにプレゼンしてくれたんです。

ちょうどその頃、日本ではJBCの予選が行われていたこともあったので盛り上がりました。(笑)

P1260315

それではどうぞ、お楽しみください!(笑)という感じです。

P1260311

滞在先のサンローレンソのホテルに到着した頃は、美しい黄昏どきでした。

P1260320

この日の翌日は日曜日でしたので、農園もお休みで見て回ることができませんので、ホテルの隣にある、水の公園でゆったりとした時間を過ごしました。

その様子を次回お届けいたします。ではまた!

« 南米の旅路その20/カルモ・デ・ミナス2日目その3 セルトン | トップページ | 南米の旅路その22/カルモ・デ・ミナス3日目 水の公園 »

カップ・オブ・エクセレンス」カテゴリの記事

海外出張」カテゴリの記事