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2011/10/07

グアテマラ・サンペテ

このサンペテをはじめてご紹介したのは2010年1月でした。

世界一美しいといわれるアティトラン湖の周辺の土地は、代々受け継がた豊かな土壌が広がっており、農園と生産処理場は湖を望む傾斜地にあります。

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オレンジ、チェリーの香り、花のニュアンス、メイプルシロップのような甘さ、後味のとろっとした舌触りと、ピーチのような印象が心地よく持続します。


地域:グアテマラ中西部 ソロラ県/Sololá アティトラン/Amatitlan

協同組合:サンペテ/Tzampetey

生産処理方法:水洗式/Washed


さて、私にとってこのサンペテというコーヒーは、とても印象深いエピソードがあります。

2009年の春頃だったと記憶していますが、グアテマラから届いたサンプルの中でとても印象的だったひとつがこのサンペテだったんです。この時はじめてサンペテのコーヒーを知りました。

そして、JBC2009(ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ)で丸山珈琲の中原バリスタが優勝された時、このサンペテの様子をプレゼンされました。

プレゼンは英語でしたので、全てを理解できたわけではありませんでしたが、スペシャルティコーヒーが広く知られていく中、おいしいコーヒーを愉しむ一消費国の私たちには想像すらできない現実がにフォーカスされており、とても印象的で心をぐっと引きつけられる素晴らしいものでした。

買付で2009年1月、サンペテを訪れた際、彼らが抱える問題と厳しい現状のひとつに、生産処理を行うための水路を整える500ドルが捻出できないため、仲買人にコーヒーチェリーを安く買い叩かれる、負のスパイラルを目の当たりにされたわけです。

その時、
「バリスタとして出来るとを....」と心に刻み帰国。

訪問からおよそ9ヶ月後、中原バリスタは見事に優勝を果たされました。

JBCの優勝賞金はその後、サンペテの組合に届けられ、水路が設けられました。

コーヒーの生産国の多くは、私たちが想像する以上にとても貧しいところが多く、収穫期にはコーヒーチェリーを摘むピッカーさんの人件費や肥料さえも買えない生産者が多いのです。

でも、彼らにはコーヒーの生産に恵まれた素晴らしい農地があり、またそこには類い希な素晴らしいコーヒーチェリーが実を結びます。

私たちを愉しませてくれるスペシャルティコーヒーの裏側にはこういったたくさんの厳しい現状や悲しい歴史、国際品評会における入賞セレモニーの華やかさやJBCやWBC(ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ)における素晴らしいバリスタのパフォーマンスと感動、そして、何よりも生産者や足繁く生産現場に足を運ぶバイヤーと焙煎人の思いがたくさん詰まっています。

その一つ一を繋げるべく、小さな架け橋を渡す一人であることが何よりもありがたいことなんだ....と、このサンペテの発売準備をさせていただく中に感慨深く思わせていただきました。ではまた!

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