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2011/12/12

第2回フード・ペアリング・セミナー終わりました!

12月9日(金)と12月10日(土)、第2回目のセミナーを開催いたしました。

横井人形もセミナーに初参加しました。(笑)

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今回のスイーツもガトー・ド・ノポロさんの「全力スイーツ」をお楽しみいただきました。

今回のテーマはもちろん、クリスマス。加えて旬のフルーツを使ったスイーツ。合計、3つのスイーツに合わせ、それぞれ複数のコーヒーとの相性を探っていただきました。

その前に、大切な味の摺り合わせ(カリブレーション)を行います。

スペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーをブラインドで客観的にチェックしていただきます。

コマーシャルコーヒーとスペシャルティコーヒーを飲み比べると、風味の強さからコマーシャルコーヒーの方が「飲み慣れたいつもの味」と感じてしまうところがあるようです。

Aブラジル・シティオ・ダ・トーレとBブラジルコマーシャルをフレンチプレスで抽出した比較チェックです。

抽出後、20分から30分経過後の風味がより明確にキャッチしやすくなりますので、第一印象でディスカッションし、セミナーを進めていく途中で再度チェックし、その違いを体験していただきました。

そして、その次にAのコーヒーをアバカペーパーと通常のペーパーフィルターで抽出したコーヒーの比較です。

アバカはフィリピンの麻が原料ですが、通常のペーパーは木材が原料です。

横井珈琲ではフレンチプレスを長いことおすすめしておりますが、欧米におけるドリップやサイフォンなどのブームもあり、ペーパーでもおいしく楽しんでいただけるよう、様々な素材のペーパーフィルターをもって比較検証しました。

その結果、繊維が柔軟で強度があり、通液性に富んでいるアバカペーパーは通常のペーパーフィルターに比べ、コーヒーオイルが多く抽出されるのでなめらかさがあります。

違いは酸の質にあります。

スペシャルティコーヒーのおいしさは甘さや様々なフルーツを彷彿とさせる「酸」が支えているからです。

酸っぱさで終わるか、甘さの感覚でで消えていくか....に着目すると、その違いは大きく、ご参加の皆様も驚かれていました。

横井珈琲では101102サイズのペーパーフィルターは全てアバカに変わりました。103サイズはまだ製品化されていません。

また、人気の円錐ペ−パーはアバカ素材で来年1月頃を目処に切り替えます。準備が整い次第お知らせいたしますので、ぜひ、お試しください。

では、セミナーの様子を順を追ってお伝えしますね。

最初のスイーツはクリスマスをイメージした苺と木苺を使ったムースで、ガトー・ド・ノポロさんの若手パティシエ、藤谷さんの作品で、「メルヘン」と名付けられた甘いスイーツです。

1.メルヘン

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江別の農業法人輝楽里(きらり)の苺を使ったクリスマスケーキをイメージしたムース。

クッキーの生地にアーモンド風味のスポンジ、ピスタチオのムースと練乳を染みこませたスポンジ生地、苺と木苺の果肉入りのゼリーは苺のムースに包まれ、練乳と苺のムースでコーティングされています。

トッピングはこのムースに合わせて焼いた苺味のマカロンとホワイトチョコ。

とても甘いスイーツですが、苺と木苺、ピスタチオのムースが甘さの中にも爽やかさを感じられる力作です。

このスイーツとのペアリングを楽しんでいただいたおすすめのコーヒーは次の3種類。

グアテマラ・サン・ラファエル・ウィリアス

ホンジュラス・ルフィーノ・ベニテス

コスタリカ・ドラゴン

木苺の酸とのペアリングの評価が高く、わずかな差で①のサン・ラファエル・ウィリアスが一番人気で、次点はドラゴンでした。

2.タルト・タタン

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余市、稲船ファームのふじりんごを、じっくりカラメルとバターで煮詰めアーモンドのタルトにのせました。間には北の極限の果樹園、増毛の佐藤さんのハックナインりんごとカスタードクリームが敷き詰られています。

このスイーツには次のコーヒーを選びました。

コスタリカ・エルサル・デ・サルセロ

コスタリカ・ラ・エストレーヤ

ケニア・カリンガ

タルト・タタンと云えばとてもポピュラーな旬のスイーツですね。リンゴと云えばコスタリカの爽やかな酸をぜひ!ということで選んだわけですが、このペアリングはお客様のコメントもどんどん出てきます。

やはり、ポイントは酸の質。そして、煮詰めたリンゴと生のリンゴの食感が互いに引き立て合うんです。

このペアリングもわずかな差でラ・エストレーヤ。次点のカリンガもみずみずしさがあり、リンゴの酸とマッチしていたとのコメント。

3.シュトーレン

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ご存知の通り、ドイツの典型的なクリスマスの発酵菓子です。粉糖におおわれた細長い形が、おくるみ姿のキリストを表していると伝えられているそうです。

日が経つにつれて、フルーツの香りが馴染み味わいが深くなります。少しずつ薄く切ってクリスマスの日を待つという楽しみ方もあるシュトーレン。

シュトーレンのタイプは色々あるようですね。ガトー・ド・ノポロさんのシュトーレンはとても風味が豊。ことにスパイスとナッツの風味が実に素晴らしいんです。

シナモン、カルダモン、ナツメグ、スターアニス、ジンジャー、グローブの6つのスパイス。ナッツはアーモンドとヘーゼルナッツ、そして、ドライフルーツが練り込まれています。

さて、スパイスと云えばアフリカのコーヒーでエチオピアやルワンダにアニスや甘いスパイスを彷彿とさせる風味を感じるものやパナマのゲイシャ種にもスパイスを感じるものもありますね。

また、スパイスの他カシスやダークチェリーなどの重めのベリー系のフルーツを彷彿とさせるコーヒーとの相性も体験していただきたいと思い、次の3種類を選びました。

エチオピア・ネキセ

⑧ケニア・ティムやや深煎り(クリスマスブレンドのみに使用)

クリスマスブレンド

このペアリングでは⑦ネキセがダントツで、シュトーレンが華やぐ印象があった。個性的で立体的。などなどたくさんのコメントが飛び出しました。次点は⑧ティムという結果でした。

ワインやチーズ、お酒のおつまみや和菓子とお茶を初めとするペアリングは既に多くの方が楽しまれておられると思いますが、スペシャルティコーヒーとスイーツの関係は少し意識するだけで楽しさも味わいもぐんぐん広がると思います。

ぜひ、ひとつ。コーヒーやスイーツを選ぶ楽しみも加えてみてはいかがでしょうか。

お終いに今回のセミナーにおけるベストスーツは半数以上の方の支持を得て、2番目の「タルト・タタン」を選ばれました。

余市産と増毛産という二つのテロワールの違いと食感を活かした技ありのタルト・タタン。このタルト・タタンとシュトーレンはガトー・ド・ノポロさんでお買い求めいただけますので、よろしければぜひどうぞ。

メルヘンはこの日のために特別に作っていただいたものですので、店頭には並んでおりませんのであしからずご了承くださいね。

さて、去年の秋からスタートしたフレンチプレスの淹れ方教室や各セミナーも本セミナーを持ちまして終了となります。パブリックカッピングも12月11日(日)の今日、終了いたしました。

来年は1月から少しずつ、カタチを変えながら開催して参りますので、ご参加いただけますよう、よろしくお願いいたします。

今年一年、ご参加いただきましたお客様、ありがとうございました。

【 来 年 の ス ケ ジ ュ ー ル 】

◎パブリックカッピング

  1月22日(日)

  時間:①14:00〜 ②16:00〜

  参加料:無料

◎フレンチプレスの淹れ方教室

 ①2月24日(金) ②2月25日(土)

 時間:各14:00〜15:00

 受講料:1,000円

そして!

ご好評をいただきました、yokoi_coffee jamを前回同様、ROOM11さんをお借りし、開催が決定いたしました!

2月11日(土)14時からです。テーマは「バレンタイン大特集」です。詳細はTOPページなどでご案内して参りますので、こちらもどうぞ、よろしくお願いいたします。

来年のバレンタインではガトー・ド・ノポロさん特性のチョコレートとバレンタインブレンドのギフトセットも限定販売いたします。どうぞ、お楽しみに!

まだクリスマスも終わっていないのに、チョコレートとブレンドに使う素材のことで頭がいっぱいです。(笑)困ったときには横井人形に相談するとします。ではまた!

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