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2012/05/31

中米買付の旅路 最終章 グアテマラ4日目/サンペテ

買付の旅路はスギコーヒーロースティングの杉浦さんとご一緒し、3月4日に成田を発ち、3月5日(月)夜遅くにコスタリカのサンホセに到着。丸山珈琲の丸山さんとはコスタリカのホテルで合流し、3月8日まで19のマイクロミルを回り、114ロットをカッピングしました。

同日、夜遅くにグアテマラシティに入り、翌日から3月11日まで5カ所の農園を回りました。翌、早朝にグアテマラを発ち、ダラスでトランジットのため一泊。3月14日に帰国しました。

もっともっと、早くにご報告を....と思いつつも、5月も終りになりました。すみません!

今回のブログで旅の締めくくりとさせていただきます。では、さっそく最後に訪問した、世界一美しいと云われる、アティトラン湖のほとりに広がる、サンペテ協同組合の様子をお届けいたします!

グアテマラはコスタリカと違って産地(地区)を回るためには、移動距離が長く道も険しいです。

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▼峠を越えると見えて来ました。アティトラン湖です!

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▲左からアティトラン、トリマン、小さいのがセロデオーロ、サンペドロという山々に囲まれています。

▼峠を下るとサンペテの看板が見えてきました。

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さて、サンペテにはじめて訪れたのは、丸山さんと中原さん他で、2009年2月のことです。帰国後、丸山さんからその様子や彼らが抱える様々な問題をお聞きました。

そして、中原さんは2009年のジャパン・バリスタ・チャンピオンシップでは彼らのことを英語によるプレゼンに込められました。本当にあのプレゼンは心に残る素晴らしいものでした。

センサリージャッジのジャスティンさんは身を乗り出し、同じくセンサリージャッジのボンタイン珈琲の加藤さんは目を真っ赤にされ、プレゼンを聞き入っておられた様子は、今でも鮮明に残っています。決して忘れることのない感動的な15分間だったんです。

そんな思いもぱんぱんになってサンペテ協同組合に到着しました。この日も素晴らしいグアテマラ晴れ。

みなさんと合流してご挨拶してから少したった頃。丸山さんが「前は彼らには笑顔がなかったけど、今は笑顔が戻っていて、本当によかった...」と、ひと言。

かつてはカップ・オブ・エクセレンスにも入賞経験のある彼らでしたが、資金面のみならず、抱える問題が大きく、精気さえも失われた状態だったのです。

確かに以前、見せていただいた当時の写真には深く沈んだ表情ばかりでした。

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彼らのその問題の全てを、ここに書ききれるものではありませんが、中原さんは、「バリスタとして出来ることを....」と、大会前の約半年前に訪問した際に、感じられた思いも込め、プレゼンされました。

◎資金がないため湖から水をくみ上げる術が無いため、生産処理が出来ないこと

◎そのため、コヨーテという仲買人にチェリーごと買い叩かれる負のスパイラルが生じる


大会の結果は、多くの方がご存知の通り、2009年のJBCチャンピオンになられ、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)ロンドン大会に出場されました。それはそれはとても感動的な瞬間でした。

そして、優勝賞金をこのサンペテのみなさんに贈られ、彼らは湖から水を汲み出すポンプを設置でき、生産処理が出来るようになったのです。

その後、他国の団体からも支援を受け、パティオ(乾燥場)の改装と増設、組合事務所、倉庫などが新しくなっていました。

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▼コンクリートだったパティオも立派な石のパティオになりました。このことにより、コンクリートの破片が生豆に混入することもなくなります。

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▼事務所の二階部分を増築して新たに新設されたパティオ。

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▲パティオの隣にはぺルガミーノを保管する倉庫が改装されていました。向こうに見える山は、左がアマティトラン、右がとトリマン。

▼これが共同で使用する、ウエットミル(コーヒーチェリーの果肉を除去する機械)

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▼生産処理を終え、デリバリーを待つペルガミーノ(種皮に覆われた脱穀前の状態)

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▲丸山さんとのツーショットは心持ち緊張の面持ちで....

▼農園は組合事務所を出て湖の方向に進んだところの傾斜地に広がっています。ここからすぐなんです。湖面が少し見えますでしょうか。

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▼農園の入り口

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▼アマティトラン湖をバックに!

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▼収穫は既に終わっていますが、少しコーヒーチェリーが残っていました。

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▼農園から見下ろす絶景、アティトラン湖!

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みなさんとお別れの前にちょうどお昼を回る前でしたので、皆さんと一緒に近所のレストランでランチタイム。

お魚とお肉がメインのランチでした。私はお肉をチョイス。そして、旅の終わりを告げるランチでしたので、珍しく飲めないビールをぐびっと...

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▲一見固そうに見えましたが、やわらかくてとてもおいしかった!

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楽しいランチの後、再会をお約束しここでみなさんとお別れです。

グアテマラのカッピングは翌日でしたが、私と杉浦さんはフライト時間の関係から、丸山さんにお任せし帰国しましたが、サンペテはとてもよかったとのご報告を受け、更に期待を膨らませたのでした。

コスタリカとグアテマラを回って最初に感じたのは 、コスタリカは「芸術」、グアテマラは「伝統」です。

コスタリカは革命とも云うべき、生産処理をマイクロミル(小規模生産処理場)というシステムを通し、芸術的に発展させ、テロワール(コーヒー栽培の環境)とマイクロクライメイト(微小気候)にマッチした品種を植え、素晴らしいコーヒーが生産されます。

グアテマラは、品種のバラエティではコスタリカには及びませんが、ある意味、伝統とも云うべき、絶対的な品種があって、スペシャルティコーヒーの発展と伝統が共存共栄して、進化し続けているのではないか。そして、それは民族の伝統文化と重なり、もう一つのグアテマラコーヒーの魅力が潜んでいる....そんなことを今回の旅路で感じさせていただきました。

共に感じますのは、生産者と私たちを結んでくれるキーマンの存在が、とても大きいと云うことです。コスタリカではエクスクルーシブコーヒーのフランシスコ・メナさん、グアテマラではコーディネーターのオルガ・アヤウさん、サン・ヘラルド農園のポール・スターリーさん。本当にありがたく思います。

これらの方々なくしては、私たちの買付は成り立ちません。

そして、私たちのバイヤーを担ってくださっている、丸山珈琲の丸山社長に心から感謝しています。

素晴らしいコーヒーを生産していただく鍵は、深い「絆と信頼関係」にあり、そのコミュニケーションの継続は、おいしさ(品質)に直結します。

先日、あるワインジャーナリストの方とお話しする機会がありましたが、とても感銘を受けたんです。

「素晴らしいぶどうを育てる環境があり、可能性を見いだせたら買い続けること、現場に足を運び続けること、問題を一緒に考え、「飲み手」、「使い手」を繋ぐお手伝いを継続していく。」

私もその担い手の一人であるということを、ここでもう一度、認識を新たにし、生産者の方々、それを取り巻く方々の思いを違えることなくまっすぐに、お客様においしさをお届けできるよう、努力精進して参ります。

超ロングランになってしまいました、中米買付の旅路でありますが、最後までお付き合いしてくださいました皆様、本当にありがとうございました。

お終いに、サンペテで撮影したお気に入りの中の一枚でお別れです。(現在HPのアニメーション画像の一枚です)サンペテの生産者とサン・ヘラルド農園のオーナーのポールさんの写真です。

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生産者協同組合:サンペテ/Tzampetey

地域:ソロラ県/Solola 

地区:サン・アントニオ・パロポー/San Antonio Palopo

標高:1500m〜1700m

品種:ブルボン/Bourbon

生産処理:フリィ・ウォッシュト/Fully Washed

乾燥処理:パティオ

収穫期:12月〜3月

 

2012/05/29

5月のパブリックカッピング終了しました!

今回は6月1日(金)に発売となるもの2種類と中旬頃に発売予定の1種類、合計3種類の発売前のものを含め、5種類のコーヒーをご用意し、カッピングをお楽しみいただきました。

1.グアテマラ・エル・プルテ

2.コスタリカ・ラ・リア1900

3.ブラジル・サン・ベネディート・ピーベリー(6月中旬頃発売予定)

4.ホンジュラス・サンティアゴ・プリングラ(6月1日(金)発売)

5.インドネシア・マンデリン・アチェ(6月1日(金)発売

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第1部(14時から)では、エル・プルテやサン・ベネディート・ピーベリーが特に人気。

第2部(16時から)では、エル・プルテ、ラ・リアが特に人気でした。

次回は6月17日(日)に行います。時間は14時からと、16時からの2回です。

セミナーではありませんので、コーヒーの味などに関する詳しいご説明は出来ませんが、お好みの味を見つける「味見」とお考えいただけたらと思います。

また、はじめてのご参加のお客様には、はじまる5分程度早くお越しいただきますと、カッピングの仕方を簡単にご説明させていただいております。ご希望のお客様はご来店の際、スタッフにお申し付けください。

ご参加は無料で、出入り自由です。ご参加お待ちしています!

2012/05/28

横井の夏

5月末で「横井の春」が完売し、6月1日(金)から8月31日(金)までの期間限定で、季節のブレンドは「横井の夏」を販売いたします。

ブルンディを軸にブラジルをベースに、ビターチョコの風味と冷めていく毎に広がる甘さ、チョコレートの質感、重めのベリー系の風味を表現しました。

まだ肌寒いこの時期はホットで、時にはミルクで割ってもよし、もちろん、アイスコーヒーでもぜひ、どうぞ!短い北海道の夏を横井の夏と共にお楽しみください。

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ビターチョコ、カカオ、ダークチェリー、ブラックベリー、キャラメルの風味、クリーミーな舌触りとブラウンシュガーの甘さが魅力です。

2012/05/26

yokoi_coffee jamVol.4 開催のご案内です!

HPでは既にご案内させていただいておりますが、4回目は、エスプレッソドリンクも盛り込んだyokoi_coffee jam。ease cafeのオーナー、八木さんのご協力により、実現しました!

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◎ 開 催 概 要 ◎

【カリブレーション/味の摺り合わせ】

【ブラインドでカッピング 】

【エスプレッソドリンクを楽しもう!】

スペシャルティコーヒーの興りからカップ・オブ・エクセレンスのへ高まりを見せた流れ、横井珈琲についてもお話しさせていただきます。

カッピングの後は、みなさんでディスカッション。それぞれのコーヒーの生産現場の様子などもお伝えします。

そして、カッピングしていただいたコーヒーの中から、おすすめの豆でエスプレッソドリンクの魅力をお楽しみいただきます。たくさんのご参加をお待ちしています!

◎開催日時:6月24日(日)15時〜17時半(最大18時)

◎定員:12名

◎参加費用:3,000円(エスプレッソドリンク付き)

◎締め切り:6月21日(木)19時


◎お申し込みはこちらから

【お申し込み方法】 ①お問い合わせフォーム、または、お電話にて

電話:011-667-1250

受付時間:10時から19時まで(火曜日を除く)

②参加費用のお支払い:店頭または銀行振込にて承ります。

銀行振込の場合:振込手数料はお客様ご負担とさせていただきますので、ご了承ください。

お支払いがお済みになり次第、受付完了になります。

振込先:北海道銀行 宮の沢支店 
口座番号:普通預金 0353927 (有)工房横井珈琲

※開催日の3日前まで、お支払いをお済ませください。

なお、ご入金が確認できない場合はキャンセルとさせていただきますので、あらかじめ、ご了承ください。その他、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

2012/05/25

ホンジュラス・サンティアゴ・プリングラ

2011年、ホンジュラス・カップ・オブ・エクセレンス3位入賞のコーヒーです。

トロピカルフルーツを思わせる素晴らしい風味と甘くてジューシーな舌触りが魅力です。ぜひ、ご賞味ください。

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花の香り、パパイヤ、マンゴー、ピーチ、ブラックカラントの風味、ジューシーな舌触りと広がるフルーツの甘さが魅力です。

地域:ラ・パス県/ La Paz 
 
地区:
エル・コムン/El Común

農園:
ラス・フローレス/Las Flores

オーナー:フォルフェ・アルベルト・マイエシイヨス/Jorge Alberto Vallecillos

標高:1,705m

農園面積:8.4ヘクタール

品種:
カトゥアイ/Catuai

収穫時期:12月〜4月

生産処理方法:水洗式/Washed

ペルー・デカフェ

今回のデカフェはペルーのコーヒーです。

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前回のパプアニューギニア同様、カフェインレスのコーヒーです。

コーヒー好きでありつつも、健康上の事情などでカフェインを含むコーヒーを控えている方には特におすすめのコーヒーです。

ミルクチョコやチェリーの風味、やさしい味わいが魅力です。

化学薬品を一切使用せずに、水を使用した特別な技術によってカフェインを取り除いたものです。

ここ最近お客様からもご要望やお問い合わせが多いこの「デカフェ」。少しずつではありますが、おいしいデカフェをご紹介してまいります。

ブラジル・サン・ベネディート・ピーベリー

ブラジルのコーヒー生産地の中でも最も伝統的なミナス・ジェライス州の南部に位置する、このカルモ・デ・ミナス地区は、ブラジル最大の都市、サンパ ウロから340kmほど離れた、標高1200mから1500mの高いマンチケイラ山岳地域地帯にあり、ミネラル・ウォーターの水源としても知られていま す。

また、この農園は多くのカルモ・デ・ミナス地区優良農園(通称「COE銀座」と呼ばれる一帯)を見渡せる、素晴らしい高台に位置しています。

サン・ベネディートは、2005年は2位、2008年には7位にカップ・オブ・エクセレンスの入賞経験を持つ、優良農園です。

このロットは、去年の8月の買付の旅路でカッピングした37ロットの中で、個人的にとても印象に残ったコーヒーのひとつでした。

カッピングが終わり、このコーヒーがピーベリー(コーヒーチェリーの中で本来二つの豆が育つところ、一つになって発育した小豆のような小粒の豆)だったことがわかり、びっくりしたんです。

過去の体験から、魅力的な風味、さわやかな酸が印象的だったからです。

▼生豆

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▼現地でカッピングした時のもの

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ナッツ、アプリコット、チェリーの風味、スムースな舌触り、ミルクチョコのような甘さが魅力です。

農園名:サン・ベネディート/ Fazenda São Benedito

農園主:アントニオ・ジョゼ・ジュンケイラ・ヴィリィエラ/António José Junqueira Villela

地域:ミナスジェライス州/Minas Gerais

町:カルモ・デ・ミナス/Carmo de Minas

標高:1,200m

生産処理方法:※パルプトナチュラル/ Pulped Natural  パティオで天日乾燥

品種:イエローブルボン/Yellow Bourbon

【(生産処理呼称)コーヒーチェリーの果肉を除去し、粘液質(ムシラージ)を付着させたままの状態で乾燥させる方式の名称】

2012/05/24

インドネシア・マンデリン・アチェ

マンデリンファンのお客様、大変お待たせいたしました。6月1日(金)より、発売開始です!

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ビターチョコ、ダークチェリーの風味、スパイシーな後味と、重厚感のある舌触りが魅力です。

標高約1200m、スマトラ島にあるレイク・トバ(トバ湖)より、北西約300kmに位置する、タケンゴン村で生産処理されています。

2012/05/20

yokoi_coffee jam Vol.3終了しました!

今日の札幌は風がややあってぽかぽか陽気とまではいきませんでしたが、北海道らしいお天気でした。

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今回は長いお付き合いをさせていただいている、あじとⅡさんの1階カフェスペースをお借りしてさせていただきました。

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今回のテーマは旬のガトー・ド・ノポロさんの旬のスイーツ、「ルバン」(ルバーブと苺のムース)のペアリングをパブリックカッピングで見つけていただくという趣向で、毎月開催している、パブリックカッピングと不定期で開催している、フードペアリングセミナーをコンパクトに合体させた内容です。

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冒頭、スペシャルティコーヒーの興りからカップ・オブ・エクセレンスへの高まり、そして現在までの流れ、そして、私たちが買付に至った経緯と意義をお話しさせていただきました。

ご質問もいくつかあり、ついつい熱くなってしまいました。要するに話しが長くなってしまったのです。いつものことですが。(笑)

サポートの青木に促されるように巻きが入り、我に返った次第です。(笑)

さて、本番のパブリックカッピングに入ります前に、とても重要なことがカリブレーション(味の摺り合わせ)です。

ブラインド(コーヒーの名称を伏せて)で2つのグアテマラをカッピング。

ご参加の皆様の評価は、半分強がコマーシャルコーヒーを選ばれ、半分弱の方がスペシャルティコーヒーを選ばれました。

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みなさんでディスカッションの後、かなり冷めた状態で改めてカッピング。

コーヒーの液体が熱い時、冷めてからの後味や甘さの感覚、味わいのきれいさを確認します。そして、いよいよ本番へ。用意したサンプルは5ロット。

北海道の新緑を感じながら、カフェスペースに注ぐ日差しがとても清々しかったです。

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そこで、コーヒーを楽しむなら、どのコーヒーを選ばれるかを、ディスカッションしながらお聞きしました。もちろん、ブラインドでカッピングの結果です。

1.コスタリカ・ラ・リア1900

2.ケニア・ングングル

3.ボリビア・フェリシアノ

4.ボリビア・オチョ・エストレジャス

5.ホンジュラス・オルヴィン

人気は次の二つに割れ、共に中煎りのコーヒーでした。

ーラ・リア1900ー

〜このコーヒーを選ばれたお客様のコメント〜

◎コクがあって安定した味わい

◎やさしい甘さ

◎最初から最後まで安定した味わい

ーフェリシアノー

〜このコーヒーを選ばれたお客様のコメント〜

◎ほどよい苦みと甘さ

◎冷めて甘みのある酸が出てきた

◎グレープフルーツのような酸がよかった。

◎アフターテイストが長い

次に、本日のスイーツのペアリングを楽しむなら、どのコーヒーを選ばれるか?をお聞きしましたところ、こちらも人気を二分しました。

ーングングルー(中煎り)

このコーヒーの最大の魅力である、様々なフルーツの酸とルバーブと苺が持つ酸味とのペアリング。

ーオチョ・エストレジャスー(深煎り)

チョコレートシロップのような舌触りと長く続く甘さと、ルバーブと苺が持つ酸味のペアリング。

ワインや日本酒、王道の玉子かけご飯、スイーツと紅茶をはじめ、確立されているペアリングは云うまでもありませんが、「コーヒー」という大きなくくりではなく、、コーヒーの印象に合わせ、スイーツを選ぶ楽しみが加わると、ペアリングもよりおいしく、楽しめるかと思います。

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今日のスイーツにつて、シェフの梶原さんから事前にコメントをいただいておりましたので、ご紹介します。

◎夕張郡、栗山町の岩崎農場クリムソン・ルバーブ

フキに似た野菜で漢方の大黄の仲間、主人が研修先のオレゴン州で、ルバーブのタルトをご馳走になり一目惚れ、門外不出で生産しているルバーブの株を分けてもらい無農薬栽培で生産。

同時、日本に輸入する際、ルバーブ自体、認識されていなかったため、持ち込みに関しても大変苦労し、栽培にもとても苦労されたそうです。 

◎苺は江別市の農業法人「輝楽里」の新白鳥1号

しっかりとした歯ごたえと酸味の強い原種に近い野性味の苺。

やわらかい口どけと鼻にぬける香り、素材本来の特徴をストレートに表現することのできる技法、それがムースの特性。この技法は主に、フランスからの伝来で、フルーツ、チョコレート、ナッツ、チーズ、卵、どんな素材でも対応できる現代のエスプリ

梶原さんの説明にあるとおり、このムースに限らず、彼が生み出すスイーツのおいしさは、「口溶けと素材の風味の素晴らしさ」にとても感動し、コラボレーションをお願いした次第です。

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今回のyokoi_coffee jamを通し、ご参加いただきましたお客様より、貴重なヒントをいただきましたので、しっかり次回に繋げていきたいと思いますし、定期的なセミナーや教室にも反映させて参ります。

ご参加いただきました皆様、楽しくさせていただけましたこと感謝、御礼申し上げます。ありがとうございました。

次回のyokoi_coffee jamは6月24日(日)、ease cafeさんとのコラボレーションです。詳しくは追ってこのブログやHPでご案内いたしますので、ご参加お待ちしております!

なお、ガトー・ド・ノポロさんのスイーツは、只今、父の日ギフトでご予約を受付中です。ご用命をお待ちしています!

2012/05/19

中米買付の旅路 グアテマラ3日目/エル・プルテ

エル・ヤルーで昼食をいただいた後、この日、最後の訪問先、エル・プルテです。今年で5年目のお付き合いにになります。

このコーヒーは5月14日(月)から発売開始いたしました。農園の情報はこちらに公開していますので、ぜひ、ご覧ください。

今回は3月に訪問した、上記以外の内容をお伝えいたします。

グアテマラシティからどんどん山間に入るとグアテマラシティを一望できる素晴らしいロケーションが広がっています。

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生産処理場に到着した時は間もなく陽が沈みかける頃でしたが、私たちの到着を待つかのように生産処理(果肉除去)を見せてくれました。

▼真っ赤に熟した見事なコーヒーチェリー

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▼水路を経て、ウエットミルにかけられます。

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▼果肉が除去されたところ

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▼水路を経て発酵槽に送られます。

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▲とても清潔に手入れが行き届いています。

醗酵工程の後、水で洗い流す、フリィ・ウォッシュトという方法で処理され、パティオ(乾燥処理場:写真下)で乾燥工程を経て、種皮に覆われたペルガミーノ(パーチメント)になり、倉庫でデリバリーを待ちます。

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▼収穫したばかりのコーヒーチェリー。とても甘くてびっくりしました。

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▼丸山珈琲の丸山さんも思わず笑顔がこぼれ....

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このエル・プルテは2009年ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップで優勝された、中原バリスタが使用されたひとつです。

昨年12月、ワールド・ロースター・コンペティションが、世界6ヶ国からロースターがエントリーし、台湾で開催されました。

自社で焙煎したエスプレッソ用の豆を現地に送り、現地のバリスタが抽出し、競い合うというコンペティション(WBC/ワールド・バリスタ・チャンピオンシップのルール)において、丸山珈琲さんがこのエル・プルテを使い、1位に輝きました。

▼その報告を丸山さんがされているところ。オーナーのパブロさんも奥様のアントニアさんも真剣に聞き入っています。

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丸山さんの報告が終わった時、みなさんの歓声と拍手が山にこだましました。パブロご夫妻は本当によろこんでおられました。

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そして、収穫したばかりのコーヒーをコーヒーメーカーでご馳走になりました。とにかくおいしい!バランスの素晴らしさと甘さの感覚が心地よく持続しました。

エル・プルテは2007年からウエットミル(生産処理施設)を設けられて以来、私たちとのお付き合いが始まりましたが、丸山珈琲の丸山さん、中原さんをはじめ、私たちがこのように足を運び、コミュニケーションを深めさせていく中に、信頼関係は品質向上にも直結していくことを強く感じるのでした。

お別れに、「ここは自宅だと思って、いつでも来てください。私たちは大歓迎します。」と、オーナーのパブロさんが仰ってくださいました。

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 ▲左から、パブロさんの息子さん、サン・ヘラルドのポールさん、コーディネーターのオルガさん、パブロさん、アントニアさん

澄み渡る空気、清らかな水、とてもフレンドリーなエル・プルテ犬、素晴らしいコーヒーをご用意して迎えてくださった、パブロファミリー、もう何も云うことはありません。ありがとうございました!

今回の中米買付の旅路のレポートはすっかり間延びしてしまいましたが、次回はいよいよ最終章、世界一美しいと云われる、アティトラン湖のほとり、サンペテ協同組合を訪問した時の様子をお届けいたします!これが最後。(笑)あと一回続く!

では、あまりにも人なつっこく、愛くるしい、「丸山さんラブ!」のエル・プルテ犬、画像集をお届けし、お別れです!

P1030751 ▲足繁く通われている、丸山さんにとてもなついています。

P1310700▲視線を送り、カメラを向けると、この笑顔!

▼そして、こんな格好まで(笑)

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P1310796 ▲ここは生産処理設備の一部ですが、このコンクリートを境に、入ることを禁じられている(笑)必死にそれを守る姿がまた可愛いのです。

そして.....

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▼こうなちゃいました。

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この様子を見て、レドリバー繋がりでセロくんを想い出してしまった日の夜、うちの奥さんからこんな画像が届いてとても切なくなったのでした。

▼この時は3月上旬、札幌にはまだ雪が残っていたのです。

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2012/05/16

父の日ブレンド

5月16日(水)から発売の父の日ブレンドが完成しました。

ボリビア・オチョ・エストレジャスを軸にダークチョコレートの風味を際立たせたブレンドに仕上げました。

母の日同様、「ありがとう」の気持ちがあっても、感謝の気持ちは照れくささもあり、中々云えずにいる....という方が多いのではないでしょうか。ご多分に漏れず、私もその一人であります。

ここは思い切って「ありがとう」の感謝の気持ちと一緒に、お父さんが大好きな好きなものをプレゼントする。あるいは、外食にお誘いするとか、父の日計画をされてみませんか。

もちろん、ご自身へのご褒美や贈りものにもぜひどうぞ。

今回もこのブレンドコーヒーの発売に合わせまして、ガトー・ド・ノポロさんの焼き菓子とコーヒー豆との詰め合わせ、焼き菓子のみの詰め合わせギフトもご用意いたしました。

今回のマカロンのセットはお父さん向けにラム酒を使ったもの、ショコラとキャラメルのベストマッチなもの、ボリビアの深煎りを使った3種類のマカロンをご用意いたしました。

Dsc_2188 ▲ラム・レザン・マカロン

Dsc_2191 ▲ボリビアコーヒー・マカロン

Dsc_2192 ▲ショコラ・キャラメル・マカロン

コーヒーとの詰め合わせの他、甘夏パウンドケーキや単品焼き菓子セットもご用意いたしました。

◎ご予約受付開始:5月16日(水)


◎ご予約締め切り:6月9日(土)

◎ご予約はショッピングカート、お電話、FAX、店頭にて承ります。

  お電話:011-667-1250  FAX:011-667-1261 

なお、品質保持のため、父の日ギフトと6月からのお中元の焼き菓子セットはクール便での発送とさせていただきます。

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働くお父さんのイメージとしてホームページのアニメーションで公開していますのは、2009年11月に訪問した、コロンビア・ラス・デリーシャスのオーナー、ロサさんです。

訪問時の様子はこちらからどうぞ。

上質なダークチョコやカカオ、ラズベリー、ダークチェリーの風味、チョコレートシロップのような舌触りをお楽しみください。

北海道も、もうすぐアイスコーヒーが恋しくなる季節を迎えますが、父の日ブレンドでアイスコーヒーやミルクで割ってアイスラテにもおすすめです。ぜひ、お試しください。

中米買付の旅路 グアテマラ3日目/サン・ホセ・エル・ヤルー

アカテナンゴのモンテ・デ・オロを後にした私たちは、グアテマラシティの西部、サカテペケス県のチマルテナンゴ地域のスンパンゴ町にある、エル・ヤルーに向かいました。

去年から定番のグアテマラコーヒーとしてご紹介しており、今年は1月に深煎りでご案内させていただき、ご好評をいただきました。

P1310635 ▲農園に向かう途中、停車していたカラフルなバスです。

エル・ヤルーは、カップ・オブ・エクセレンスでは2007年に3位入賞の他、複数の入賞経験がある優良農園の一つです。

訪問ははじめてですが、他のメンバーから農園の様子などを聞いていましたので、印象に残っていたのがこのブラックベリーの畑でした。

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ひとつ摘んでいただくと、これぞフローラル!と云わんばかりのフレーバーに圧倒され、間髪入れずに訪れる甘さが素晴らしかったのです。過去最高のブラックベリー体験となりました。

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この農園はコーヒー栽培の他、乳牛の飼育、ブラックベリーの栽培、ニジマスの養殖も行っています。週末には農業体験ツアーも行っているそうです。

今回はお昼ご飯をご馳走になるためにお邪魔したのでした。

P1030742 ▲ここがパティオ(乾燥場)

隣接する建物に飾ってあった写真が美しかったのです。▼口があくほど心を打たれのであります。

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そして、ご馳走になったのがこちら。

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あまりにもおいしかったので、うっかり写真を撮り忘れましたが、ブラックベリージュースのおいしさったらもう最高でした!

このエル・ヤルー、今年もご案内させていただきますのでお楽しみに!

農園名:サン・ホセ・エル・ヤルー/San Jose El Yalu

県:サカテペケス/Sacatepequez 

地域:チマルテナンゴ/chimalenango

町:スンパンゴ/Sumpango

オーナー:アグロぺクワリア・ロス・ピノス/Agropecuaria Los Pinos

標高:1,560~1,800メートル

コーヒー栽培面積:約35ヘクタール

ブルボン、カツアイ、カツーラ/Bourbón,Catuaí,Caturra

生産処理方法:水洗式/Washed

年間生産量:約8~9トン。

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中米買付の旅路 グアテマラ3日目/モンテ・デ・オロ その2

ちょっと間が空いているうちに、私は、コスタリカのカップ・オブ・エクセレンスの審査でサンホセのホテルに5日間滞在しました。

予定ではコスタリカに発つまでには書き終えている予定でしたが、予定通りとはいきませんでした。コスタリカでグアテマラのことを書きかけてトランジット先のヒューストンのホテルで仕上げるというのは何気に微妙な心境であります。どうぞ、気長にお付き合いくださいますように。


さて、農園の入り口で目にしたのが、サビ病の被害を受けたコーヒーの葉。

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写真のように、葉の裏側に赤さびのような斑点が現れます。その斑点は次第に広がり、やがてその葉は枯れ落ちてしまいます。空気感染なのでとても厄介で深刻な問題です。

今年はこのサビ病の影響も含め、30%〜40%ほどの減産のようです。

このモンテ・デ・オロ、最初は平坦に見えた農園も奥に進むにつれアップダウンがかなりきつくなってきました。棒を渡された意味がここで理解できました。

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ヘトヘトになりつつも、なんとか農園を一周しました。

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生産処理場に戻り、ペルガミーノ(種皮がついたままの状態)を見せていただきましたが、換気が行き届いており、湿度が保たれていました。屋根の上の丸くなっているところが換気扇になっています。

P1310581 ▲ペルガミーノの保管倉庫

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そして、待ちに待った、コーヒーブレイク(笑)オレンジと松の実のパウンドケーキとモンテ・デ・オロ。素晴らしいペアリングにかなりうっとりしてしまいました。

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コーヒーは息子さんがフレンチプレスで点ててくれました。甘さと酸のバランス、マウスフィールがとてもふくよかです。一気に2杯のお代わりをしてしまいました。

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▼オーナーのマリオさんより、広大な農園の敷地図面が丸山さんに渡されました。

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本当に仲のよい親子、おいしいアカテンンゴのコーヒーと心温まるおもてなし、素晴らしいロケーションは今でもしっかりと胸の中に残っています。マリオさん、ありがとうございました!

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▼横井さん、杉浦さん、次はエル・ヤルーに向かいますぞと、丸山さん。お楽しみに!

続く!

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農園名:モンテ・デ・オロ/Monte de Oro      http://www.montedeorocoffee.com/

オーナー:マリオ・アラルコン/Mario Alarcon

県:グアテマラシティ/Guatemala City 

地域:アカテナンゴ/Acatenango

地区:アルデ・エル・ソコロ/Aldea El Socorro

標高:1,500m

品種:カトゥーラ、カトゥアイ、パチェ・ブルボン、ブルボン、パチェ・サンラモン

農園の面積:25ヘクタール

年間生産量:170bags(69kg)

2012/05/12

コスタリカCOE、感動のアワードセレモニー終了!ファン・ラモンさん、おめでとうございました!

首都、サン・ホセにある、ラマダ・プラザにおいて、5月7日から11日まで、国際品評会が行われました。

今回のサンプル出品数は少なめの95ロット。その中から国内審査で選抜されたロットが38ロットでした。

国際審査では、その38ロットを2日間かけて審査し、29ロットに絞り込みました。翌日、一日かけて、残った29ロットを再度審査した結果、27ロットがカップ・オブ・エクセレンスの称号を得ました。※去年まで84点以上でしたが、今年から85点以上が入賞

まずは何をさておき、感動のセレモニーの様子をお伝えします!優勝はブルマス農園のファン・ラモンさんです!

今回の1位、2位の二つのロットが90点以上のプレジデンシャルアワードに輝きました!

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司会者の方のアナウンスでは実は聞き取れなかったのですが、ラモンさんがお子さんを抱えて歩いて来るではありませんか。

もう後から後からあふれ出る涙....思いっきり泣かせてもらいました。ラモンさんも泣いてます。でも、今回は私だけではありませんので、目立ちませんでした。念のため。(笑)

一緒の参加した、丸山珈琲の中原さん、ボンタイン珈琲の加藤社長、エクシクルーシブコーヒーのフランシスコ夫妻、スタッフのみなさん、同じグループのマイクロミルオーナー、みんなで泣き、共によろこびあいました。

ラモンさんとは本当に長いお付き合いをさせていただいています。
コスタリカでカップ・オブ・エクセレンスが開催される前に行われていた、コセチャ・デ・オロという品評会で優勝され落札を機に毎年買わせていただいていますので、横井珈琲ではすっかりお馴染みのマイクロミルです。

ラモンさんは農学博士ですので、これまでコスタリカコーヒーの品質向上、(マイクロミル革命)には多大な貢献をされており、また多くの方々にその情報や研究結果を広め伝えてこられたコスタリカのマイクロミルにおいては欠くことの出来ない方でもあります。それ故に、多くのオーナーが彼の優勝を心からよろこばれる姿にとても感動したんです。

セレモニーでのスピーチ(聞き取りで理解できた一部です)

「最高のコーヒーを生み出すべく、いくつものコーヒーサンプルを納得いくまでカッピングを繰り返した」「信じて毎年挑戦(サンプルを出品)し続けた」....

会場は大歓声に包まれました。

私たちとの関係を知っているオーナーは、中原さんと私にも「おめでとう」と握手してくれました。また、あるアメリカのロースターも、「長い長いコミュニケーションを経た先に訪れた素晴らしい結果。とてもドラマティック...
感動したよ」と、握手を求められました。

この場にいることが出来たことに感謝せずにはいられない一時でした。


よろこびは重なります!2位はルイス・アルベルト・モンヘさんの農園、フィンカ・ドラゴンです。

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ルイスさんとセレモニー会場で(発表前に)再会したとき、中原さんと私を前にこう切り出されました。

「5年前、健太郎(丸山珈琲の丸山社長)が10俵買ってくれた。と、メナから連絡があったときは本当に嬉しかった。今でも感謝している。」と、目を赤くして話してくれました。温かい心通い合う一時でした。

ラモンさん、ルイスさん共に3月上旬にもお会いしていますので、感動も大きかったです。みんなとよろこびと感動を共にするからそのよろこびは大きくなり、たくさんの方々に繋がっていくんですね。

一杯のコーヒーから生まれる素晴らしい関係は応援してくださる横井珈琲のお客様、ひとり一人に支えていただいています。ありがとうございます!


この他、
4位モンテ・コペイ、5位ラス・ヌーベス/ロス・アンヘレス、9位エルバス、13位、16位ドン・マーヨ(※コスタリカでは3ロットまでエントリー可能
)20位サルセロ、21位コーペ・ドータ、23位フィンカ・デ・リーチョ(アギレラブラザーズ)24位ラ・ピラ

 

感動速報をお届けいたしました。引き続き書ける範囲内で旅の空の中でアップします。これから、本日プレオープンのドン・マーヨ・カフェにお邪魔し、その足でヒューストンに飛びます。ではまた!

2012/05/06

中米買付の旅路 グアテマラ3日目/モンテ・デ・オロ その1

この日も素晴らしいグアテマラ晴れ。

この農園は、グァテマラの首都であるグァテマラシティーから西に65km進んだ先に位置するする、アカテナンゴ地区にあり、アカテナンゴ火山(左/3,976m)とフエゴ火山(右/3,763m)に隣接しており、フエゴ火山は活火山ですので、時折、もくもくと煙を上げていました。

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アカテナンゴのコーヒーは、アンティグアに持ち込まれ、アンティグア産のコーヒーとして流通していましたが、2001年からカップ・オブ・エクセレンスが開催されて以来、その品質が認められるようになりました。それまで、グアテマラの産地は大きく分けて次の7エリアでした。

◎ウエウエテナンゴ

◎アティトラン

◎サン・マルコス

◎アンティグア

◎フライハーネス

◎コバン

◎ニュー・オリエンテ

カップ・オブ・エクセレンスの開催以降はこの、アカテナンゴが加わり、コーヒー栽培エリア8つに塗り替えられました。

グアテマラに限ったことではありませんが、スペシャルティコーヒーの興隆とカップ・オブ・エクセレンスの開催により、農園やマイクロミルの数だけ風味特性のバラエティがあると云えます。同じ地区においても様々なテロワールとマイクロクライメイトが存在するからです。

さて、グアテマラシティのホテルを出たときから、ずーっと虹が出ていたのです。

P1310437 ▲グアテマラシティ

アカテナンゴに差し掛かった頃も虹は出ていました▼

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国道沿いのこの看板を右折すると更によい眺めが広がり、20分ほど進んだところにモンテ・デ・オロがありました。

あまりにも素晴らしい眺めなので虹を撮影することに。丸山さん、ちょっとポーズを決めてくれました。

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ここからいくつかのアップダウンを越え、目指す農園までもう一息です。

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モンテ・デ・オロに到着!

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オーナーのマリオさんは、お医者さんでしたが、奥様と出会い、恋に落ち、ご結婚され、奥様のご両親が所有されていたこの農園を受け継がれ、息子さんと切り盛りされています。

P1030691 ▲とても仲のよい親子です。

まずは生産処理施設を見せていただきました。

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▲発酵槽はとてもきれいに手入れが行き届いています。奥がパティオ、コーヒーチェリーの果肉を除去した後、乾燥処理を行うところです。

マリオさんから棒を渡され農園を巡ることに。この時なぜ棒が?と思いましたが、農園を進むにつれその意味がわかったんです。続く!

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ボリビア・フェリシアノ

間もなく、マルセリーノ・カタリに変わり、フェリシアノをご案内いたします。

明るいフルーツの風味と、非常にきめ細かい舌触りと黒蜜を思わせる甘さが魅力です。

この農園は1990年にからコーヒー栽培が始まりました。
オーナーのフィエリシアノさんは2002年からこの農園を借りてコーヒー栽培の勉強をはじめ、2004年には10ヘクタールの農地を購入しました。

最初は2ヘクタール分の農園からしか収穫できませんでしたが、もっとコーヒーをつくるためにコーヒーの生産計画を作り替えました。

オーナーのフェリシアノさんは、5人の子どもに恵まれ、子どもたちは学校から帰ると農園の仕事を手伝ってくれます。

コーヒーは主な経済的な収入源で家族の生活を支えるもので、コーヒーの生産のみに専念しています。

フェリシアーノさんは地道に生産量を増やす方法をさがしました。高品質のコーヒーは、見境ない森林伐採やコカ農園の増加から、ユンガス山脈の環境を保護するひとつの方法であると確信しました。

フェリシアーノ夫妻は、地元アイマラ族のコミュニティの支援のもと、コーヒーおよび、その他の地元農産物の向上のため、すぐれた高地栽培の方法を探求し、その方法が普及することを望んでいます。

P1230312 ▲買付のカッピングの様子

ピーチ、ラズベリー、オレンジの風味、きめ細かい舌触り、長く持続する黒蜜のような甘さが魅力です。

農園名:フェリシアノ/ Feliciano

農園主:フェリシアノ・ラモス・アロキーパ/Feliciano Ramos Aruquipa

村:ロアイサ/Loayza

地域:ユンガス、カラナヴィ/Caranavi,Yungas of La Paz

農園の規模:10ヘクタール

栽培エリア: 8ヘクタール

収穫時期:4月から8月(ピーク時期:6月〜7月)

ワーカーズ:6名(家族)

標高:1,635 m

品種:カトゥーラ、カトゥアイ、ティピカ/Caturra (20%) Catuai (40%) Tipica (40%)

生産処理方法:水洗式、機械での果肉除去の後、天日乾燥/Fully Washed  Sun-Dry

グアテマラ・エル・プルテ

3月に訪問した、グアテマラシティのフライハーネス地区にある、エル・プルテです。

訪問時の様子は連載中のブログ、「中米買付の旅路〜グアテマラ編」にて詳しくお伝えいたしますので、もう少しお待ちくださいね。

P1310750 ▲左から、オーナー、パブロさんの息子さん、サン・ヘラルドのポールさん、コーディネーターのオルガさん、パブロさん、奥様のアントニアさん

伺った時間帯は日没より少し前でしたが、生産処理を見せてくれました。みずみずしい完熟のコーヒーチェリー、豊かな自然、人なつっこい犬たち、温かいおもてなし、収穫したばかりのエル・プルテのコーヒーは素晴らしい出来映えでした。

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チェリー、オレンジ、チョコ、アプリコットの風味、花のニュアンス、クリーミーな舌触りとブラウンシュガーの甘さが魅力です。

首都、グアテマラシティより、南に約20kmにエル・プルテ農園はあります。アクア火山が見えグアテマラシティが眼下に広がる、素晴らしい場所にあります。オーナーパブロさんは、この土地で生まれグアテマラシティで育ちました。

この土地は、祖父母が住んでいた土地をお母様から譲り受け、1989年にコーヒー栽培を始める事を決め、グアテマラシティからこの地に戻ってきました。

2007年からは自分のウェットミル(生産処理場)を始め、2010年より生産処理の際にでる果皮や虫を使用した堆肥づくりを行っています。

農園で働くピッカーは、10時間程離れた村から来ていて、生産処理場の敷地内にある長屋で10家族(親と子どもが一緒に来て生活している)、50人程が共同生活を営み、収穫期が済むと、それぞれ自分たちの村へ帰っていくそうです。

農園名:エル・プルテ/El Pulte

オーナー:ファン・パブロ・サンサヘロ/Juan Pablo Sanzagero

地域:グアテマラシティ・フライハーネス/Guatemala City Fraijanes 

地区:パレンシア/Palencia

標高:平均1,800m

品種:主にカトゥアイ、ブルボンも少量栽培している

生産処理:フリィ・ウォッシュト/Fully Washed

乾燥処理:パティオ

収穫期:12月〜3月

2012/05/04

中米買付の旅路 グアテマラ2日目/ ラ・ブレア その3

ラ・ブレアを後にした私たちは、皆さんと一緒にお昼をいただきました。

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P1310366 ▲中央アメリカでは欠くことが出来ないトルティーヤ。

P1310364▲ラ・ブレア地鶏のスープ

P1310376_2 ▲スープにライスを浸していただくのが、おいしいのです。

写真手前の焼き地鶏は日本でいただくのと違って、やや固いのですが筋肉質でよく運動しているんだなぁ〜ということがわかる味わい。とてもおいしいのです。


P1310365 ▲新鮮野菜のコールスローサラダ

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▲デザートは新鮮トロピカルフルーツ。

お別れが近づいてきました。

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ラ・ブレアキャッツ&ドッグも見送ってくれます。

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▼住宅は土を乾燥させてブロックのように積み重ねて家を作ります。

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後ろ髪を引かれつつ、再会をお約束しラ・ブレアを後にしました。

セルソさんをお送りし、お孫さん達にも見送っていただき、宿泊先のホテルがあるグアテマラシティに戻りました。

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そして、セルソさんともお別れ。握手させていただいた手はとても力強く温かかったです。後ろでは私たちからのおみやげにお孫さんが夢中になってます。

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小規模生産者組合:ラ・ブレア/La Brea(農園の数は6つ、メンバーは7人)

村:マタケスクイントゥラ/Mataquescuintla

地域:ハラパ/Jalapa

標高:1500m〜1600m

生産処理:水洗式/Washed

中米買付の旅路 グアテマラ2日目/ ラ・ブレア その2

前回の記事からちょっと遡りますが、ラ・ブレアに向かう前に先に向かったのが、組合のリーダーセルソさんのご自宅です。この日も最高のグアテマラ晴れ!

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青い空と建物に描かれたものについつい目を奪われます。当たり前と云えば当たり前ではありますが、同じ中米でもコスタリカとは全くと云っていいくらい印象が異なります。

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やがて、のどかな集落に到着。

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はじめてお目にかかるセルさん。笑顔がとても素敵でエネルギーに満ちあふれていました。

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収穫を終えたコーヒー(ペルガミーノ=種皮に覆われた状態)はセルソさんのこじんまりとした倉庫に保管されています。ここは生産者の方々にとりましても、私たちにとっても宝の山です。

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日本ではあまりイメージが湧かないかも知れませんが、このコーヒーこそ、生産者にとって何にも代え難い暮らしの糧です。グアテマラに限ったことではありませんが、コーヒー生産国では、コーヒーを盗まれることも珍しくはありませんし、騙されて売られてしまい、代金を持ち逃げされることもあります。

セルソさんのご自宅から20分余りのところにラ・ブレアはありました。

P1030652 ▲奥に見えるのがラ・ブレアの生産処理施設です。

ここで、その1に書いたとおり、17名のメンバーが7名に減っていたことを知ったのです。※都合で来れなかったメンバーが一人います。

共に困難を乗り越え、心ひとつに生まれ変わったメンバーの皆さんの笑顔はとても眩しかったのです。悲しみと苦労の数だけ、メンバー間の絆が深まったのでしょう。

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丸山さん曰く、去年はこの笑顔がなかった。最後に残ってくれた7人はその中でも物静かな方々だったと話してくれました。

残ってくださったみなさんは私たちのために素晴らしいコーヒーを用意して迎えてくれました。本当にありがたく感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

ここのことは他に代え難いコーヒー屋冥利に尽きるよろこびは言葉に表すことは出来ませんでした。

そして、これからのことをオルガさんを交えて話し合い、これからも心ひとつに共に頑張っていきましょう。と、丸山さんが彼らに伝えると自然と皆さんから拍手がわき起こり、温かい空気に包まれたのです。

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ここで、丸山さんが「橫井さん、みなさんに何かひと言どうぞ...」なんて振られ、しどろもどろになりました。

「横井珈琲のお客様に皆さんの温かいお気持ちこもる素晴らしいコーヒーを知っていただくために精いっぱい頑張ります!」

と、伝えてもらいました。

大きなウルウルポイントの大波が押し寄せる中、ここはぐぐっと堪えたのですが、杉浦さんの真っ赤な目を見た瞬間、堪えることが出来ませんでした。

では、ラ・ブレアのメンバーの方々をご紹介します!!!

P1310328 ▲リーダーのセルソさん

P1310326 ▲亡くなられた元リーダーのラファエルさんの奥様、ピエタドさん(ミルのオーナー)

P1310327 ▲ピエタドさんの息子さん、お父様亡き後しっかりお母さんを支えていらっしゃいます。

P1310323 ▲イルダさん

P1310321 ▲アンヘルさん

P1310320 ▲マルコスさんの笑顔は本当にやさしい

P1310318 ▲カルロスさん、はにかんでいます。

そして、都合で来れなかったマルヴィンさんを含めた7人がラ・ブレアのメンバーです。

少し小腹が空いたところでラ・ブレアの皆さんが、トウモロコシ粉を練ったおやつ?を用意してくれました。ちまきのような感じです。

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中にハラパ地鶏が骨付きのまま入っていてとてもおいしいのです。

では、ラ・ブレアの生産処理施設をご紹介します。

P1310349 ▲ウエットミル(コーヒーチェリーから果肉を除去する機械)

P1310347 ▲ここが果肉を除去した後のムシラージ(ぬめり)を取るために醗酵させる、発酵槽。向こうに見えるのがペルガミーノ(種皮に覆われたコーヒー)を乾燥させるパティオ。

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素晴らしい自然環境と素晴らしい人達によって生産されるラ・ブレアのコーヒー。その一粒一粒にこもる、お気持ちを違えることなく、横井珈琲のお客様にお届けしたいと青空に誓いました。

次回は場所を移してランチミーティングの様子をお届けします!ではまた!

2012/05/03

中米買付の旅路 グアテマラ2日目/ ラ・ブレア その1

緑豊かなホテルで朝食を済ませ、グアテマラ南東部のハラパ地区にある、ラ・ブレア生産者協同組合を目指しました。私は朝から全く落ち着きがありませんでした。

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と云いますのも、品質はもちろんのこと、ラ・ブレアのことは、みなで情報シェアしていましたし、2010年のワールド・バリスタチャンピオンシップ、ロンドン大会に出場された丸山珈琲の中原さんが、大会前に訪問されたラ・ブレアの様子が切々とプレゼンされたことを想い出し、募る思いがぱんぱんになっていたからです。

P1030670 ▲生産処理場(ミル)をバックに記念写真【車いすの方がリーダーのセルソさん】

では、ラ・ブレアを訪れて感じたことや現地で教わったこと、これまでのお付き合いの流れをお伝えします。ラ・ブレアとは、マタケスクイントゥラという小さな町に住む「50世帯の集落」を意味しています。

ここにはじめて訪れたのは2009年2月、丸山珈琲の丸山さんと中原さんでした。その翌年も、丸山さん、中原さんをはじめ、コーヒー屋ポンポンの羽田さん、スギコーヒーロースティングの杉浦さん、たべいコーヒーの田部井さんが訪問しています。

組合のメンバーは当初、ラ・ブレアの名の通り、50名余りだったものが、2009年には28名となり、カリスマ的な組合のリーダー、ラファエルさんの病死により、メンバー間で権力闘争が起き、悪事を働くものまで出てきてしまう事態に発展しました。

そのため、メンバーのみなさんは誰も信じることが出来なくなり、組合にチェリーを持ってくる生産者が激減し、2009年94俵だった収穫も2010年には20俵しかありませんでした。

組合を離れていったメンバーの多くはコヨーテという仲買人にチェリーのまま、売ってしまったのです。

前のリーダーのラファエルさん亡き後、セルソンさんがリーダーとなりました。今はコーヒーの生産は行っておらず、家族のビジネスを手伝っている傍ら、ラ・ブレアのまとめ役として大役を担っておられます。

セルソンさんはとても人格者であり、車いすというハンディキャップをものともせず、明るい笑顔とバイタリティ溢れる人柄が彼らの大きな支えとなっています。

崩壊寸前にまで追い込まれたラ・ブレアの皆さんを前に、オルガさんは繰り返し説得を続けてくださいました。そして、丸山さんは彼らに対してこう投げかけたのです。

「既に素晴らしいテロワールがあり、既にあなたたちは特別なのだから」

その言葉に彼らは自信を取り戻し、「来年は素晴らしいコーヒーを作る」と、誓い新たに、明るさを取り戻した結果、収穫量は80俵にまで回復しました。この時のメンバーは17名でした。

ところが、今年3月に訪問した時はリーダーのセルトンさんを含め、ラ・ブレア協同組合のメンバーは8名だけになっていたのです。

その経緯は国際相場が高い時期を迎え、グループを離れていった10名に笑われながらも、丸山さんをはじめ、私たちやオルガさんとの絆を信じ、グループに残った「七人の侍」(勝手に命名)は、まことのコーヒーを用意し、最高の笑顔で迎えてくれたのです。

心温まる感動で胸がいっぱいになりました。

ふと、隣りにいた杉浦さんを見ると目が真っ赤でした。私と違ってあまり感情を表さない人だと認識していたので、思わずもらい泣きしてしまいました。

聞くと、2010年訪問時の時、子ども達もたくさん集まってとても賑やかな様子を知っていただけに、信じて残ってくださった皆さんのお気持ちが心に響いたのだそうです。

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Img_4049 ▲2010年訪問時、集まってくださったメンバーのみなさん。

今年は59俵ほどの収穫が望めたそうですが、今後、継続的かつ、安定した収穫を望めるよう関係を保つべく、オルガさんのご協力をいただきながら、コミュニケーションを継続して行きたいと思います。

スペシャルティコーヒーの魅力は「売る」「買う」といったビジネス上のコミュニケーションだけではなく、こういった素晴らしいストーリーが生産現場の数だけ存在します。それはやがて、おいしさに直結していくのです。

と、容易く口にしてしまいますが、丸山さん、オルガさんがここまで重ねてきたコミュニケーションやご苦労を思うとき、一つ一つに込められるたくさんの思いを心に置き、今年もこのラ・ブレアの魅力を余すことなくお客様にお伝えしたいと思います。どうぞ、ご期待ください。

次回は「7人の侍」こと、ラ・ブレアのメンバーの皆さんをご紹介します。続く!

2012/05/02

中米買付の旅路 // グアテマラ到着!

買付の旅路の続編で、ここからはグアテマラ編に入ります。どうぞ、よろしくお願いいたします!

さて、コスタリカから約1時間半のフライトを経て、グアテマラに到着。空港にはグアテマラの買付には欠くことの出来ない、キーパーソン。コーディネーターのオルガさんとサン・ヘラルドのポールさんが迎えに来てくれました。夜10時を少し回ったところで、グアテマラシティのホテルに到着。

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オルガさんと初めてであったのは、2003年10月。素晴らしいコーヒーチェリーを生産できるものの、資金繰りと恒常的な貧困に苦しむ小規模生産者を日本のロースターに紹介すべく来日された時のこと。

私たちは八丁堀の珈琲屋めいぷるさんをお借りし、グアテマラコーヒーの現状や買付に関するお話しをお聞きしました。

オルガさんは、Open the Door.「扉をひらきに来ました」と切り出された、最初の言葉を今でもはっきり覚えています。そんなオルガさんのひたむきさと正義心の強さはその頃と今なお変わることはありません。

このあたりのお話しは、丸山珈琲の丸山健太郎さんの著書「コーヒーの扉をひらこう」にとても詳しく、そしてわかりやすく書かれていますので、ぜひ、ご覧いただけたらと思います。

次回より、グアテマラ買付劇場が本格的にはじまります。引き続きお付き合いくださいね。ではまた!

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