SCAA(アメリカ・スペシャルティコーヒー協会)では「ロースターズギルド」という合宿が行われていますが、日本では「ローストマスターズリトリート」として、焙煎技術を磨き合い、普段中々機会がない焙煎人同士の横の繋がりを持ち情報交換を行える大変貴重な場でもあります。
日本での記念すべき第1回目は2008年11月、丸山珈琲さんの小諸店の一部をお借りし行われました。
当時のローストマスターズ委員会の委員長の丸山さんより、「ここにお集まりになられたみなさんは後に伝説の40名になるかも知れません。(笑)」とのご挨拶がとても印象的でした。
今から5年前の様子は自分のブログながら息を止めて一気に読みました。とても懐かしかったです。よろしければ、こちらからどうぞ。(4話にもわたって書いていました)
第2回目も同じく丸山珈琲さんで行われまして、第3回からは八王子(八王子セミナーハウス)に場所を移し、今年で5回目の節目となる開催は10月28日(日)〜31日(水)3泊4日のスケジュールで行われました。
これまで様々なテーマを元に取り組んできたリトリートも今年は、JCRC(ジャパンローストコーヒーローストチャレンジ2012)の全国大会の決勝戦も同時開催(進行)され盛りだくさんの内容です。
いわゆる個人戦がJCRC(ジャパンローストコーヒーローストチャレンジ)です。予選を通過した12名の焙煎人が集い戦いが繰り広げられました。
競技内容は大きく3つのカテゴリーに分けられ、総合得点で競われます。①生豆の分析(グレーディング)とサンプルロースト ②焙煎計画書の作成 ③大会用に準備された焙煎機を使用して(制限時間1時間内)焙煎豆を提出するものです。
団体戦として、全国から集まった焙煎人達もこの大会の趣旨に添う形で進められました。
私たちのグループは偶然にも九州方面と北海道という日本の両端からの参加者に二分されていたことからチーム名は「ハジッ子ロースターズ」に決まりました。
キャプテンは開業準備中の轡田さん、(株)サザコーヒーの黒澤さん(JCRCでは5位入賞)、極東ファディ(株)の堺さん、南阿蘇珈琲の田中さん、小川珈琲(株)の野尻さん(JCRCでは惜しくも2位)、九州ダートコーヒー(株)の匹田さん、そして、横井の7名です。
①生豆の分析(グレーディング)普段日常では馴染みのない作業なのでしっかり講習を受けてから行いました。
サンプルロースト
ここで用意された生豆の品質や風味特性をキャッチし、本焙煎ではその再現性を高めるべく焙煎を突き詰めて行きます。ここで今回用意された、エルサルバドル、ケニア、グアテマラの中から提出するコーヒーを決め、焙煎計画書を立てていきます。私たちはグアテマラに決めました。
スポンサー様からご用意いただきました、焙煎機でひたすらテストローストを繰り返し、ひたすらカッピングを繰り返しながら提出する豆を絞り込んで行きます。
焙煎機のスポンサー様(順不同)
◎DKSHジャパン(株)様/プロバット 5kg
◎(株)ディーシーエス様/ローリング スマート ロースター 35kg
◎(株)ノーザンコマーシャル様/ギーセン 2kg
◎ビューラー(株)様/ペトロンチーノ 8kg
◎(株)富士珈機様/ディスカバリー サンプルロースター
▲スマートロースターでエアーロースト中(笑)
▲ギーセンとノーザンコマーシャル社長、清水さん
▲ペトロンチーニ
▲ど、どうも初めまして...と、こんな場面も...
▲調子はどう?やぁ〜そっすねぇ〜...情報交換は続く!
そして、この日の夜は来年の世界大会に出場する日本代表が発表になりました!
▲JCRCのトロフィー!
栄えある第1回目のチャンピオンは、豆香洞コーヒーの後藤直樹さん(真ん中)、第2位は小川珈琲(株)の野尻浩彦さん(右)、3位はキタのダイチ(北海道)の丸美珈琲(有)の後藤栄二郎さん(左)、他の入賞者の方々はこちらからどうぞ。おめでとうございました!
結果発表は大変大変盛り上がりました。
後藤直樹さんにおかれましては、来年6月フランス、ニースで開催される「The
Coffee Roasting Challenge 2013」(世界大会)に参加されます。日本代表として頑張っていただきたいと思います。ぜひ応援をよろしくお願いいたします。
リトリートは焙煎機をはじめ、生豆のスポンサー様があってのイベントであります。毎年のことながら本当にありがとうございます。
またこの企画と運営に当たられました多くの方々のおかげさまを持ちまして、大変意義ある新しい一歩を踏み出すことが出来たように思いますし、はじめて参加された若きロースターの方々の参加がとても多かったこともあり、大成功だったのではないでしょうか。
また、若い方々から「よ、横井さん...ですよね....」とお声かけをいただき、色々とおしゃべりできて愉しかったですし、刺激になりました。ありがとうございました!またぜひ、コーヒーのある場所で再会できますことを愉しみにしています!
私は最初から参加させていただいてますが、わずか5年で焙煎はもちろん、スペシャルティコーヒーを取り巻く環境や情報の変化は著しいものを強く感じました。
かつてはヒミツとされてきた焙煎のノウハウがSCAJの発足から各委員会によって拓かれ、証され、広がりを見せていくことはとても素晴らしいことです。
微力ながら今後ともその一端を担わせていただくべく、スペシャルティコーヒーの魅力をコツコツとお伝えできればと考えています。
さて、団体戦におきまして私たち、ハジッ子ロースターズは、最下位という残念な結果に終わりましたが、素晴らしいチームワークだったと思いますし、個人戦(JCRC)入賞者が2名もの私たちのチームから輩出されましたこともとても嬉しく思いました。
〆の画像は我ら、ハジッ子ロースターズ一番のナイススマイル賞は小川珈琲さんの野尻さん。そしてナイスピース賞はDCSさんの薬丸さんです。
ニッポンのコーヒーますますおいしく、愉しくなりますよ...どうぞ引き続き応援よろしくお願いいたします!ではまた!