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2014/06/30

グアテマラ・ラ・ベイヤ・ビジャサルチ

ラ・ベイヤ農園は、4世代に渡って受け継がれている農園で、50年前、テオ二世によってはじめられた農園です。当時はこの周辺地域ではコーヒー栽培が行われておらず、このラ・ベイヤが最初の農園でした。ここはグアテマラシティから車で2時間ほど、北東に進んだ、ラス・ミナス山脈の中心部にあり、森林に囲まれた亜熱帯気候地域にあります。農園までは、街の中心地からさらに、舗装されていない道を2時間程進みます。農園のゲストハウスからは雲海を見ることが出来、農園からはホンジュラスやエルサルバドルの国境が見えます。

Dsc_0597_2 ▲オーナーのテオさん:今年のカップ・オブ・エクセレンスではパカマラ種でエントリーし、見事4位に入賞しました。


テオさんとお父様は、ともに、グアテマラシティに住んでおり、収穫時期は3時間半から4時間かけて農園に行き、週の数日を農園のゲストハウスで過ごすという生活をされています。生産処理では、エネルギー、水の節約、そしてコーヒーの廃棄物管理を行っています。たとえば、天日乾燥、水の再利用、排水処理方法、パルプ管理のための虫を使用しての堆肥作りなどです。

細かい区画ごとに土地と品種とのマッチング、新たな品種への取り組み、この土地に合わせた生産処理方法の改良などさまざまな試みが行われています。立地や、標高、生産処理がコーヒーの味やアロマ、酸の質など品質に強く影響を与えます。だからこそ、ラ・ベラ農園では何世代にも渡りこの土地で、コーヒーの植え方、育て方、収穫方法、生産処理方法を代々家族に伝えていき、完璧さの追求をし続けています。

具体的な生産処理方法は、再利用水で、チェリーの皮を取り除き、発酵させ、ムスラージを洗い流します。その後水路で比重選別され、きれいな水中に12〜18時間つけおき、最後に天日にて乾燥させ、必要であれば電気乾燥機を使用し乾燥させるという生産工程を行ってます。

去年12月にご紹介しましたのはパカマラ種でした。今回は、コスタリカでお馴染みの品種、ヴィジャサルチと「パカス」と「マラゴジッペ」をかけ合わせたパカマラ種をご紹介いたします。今回は深煎りでのご案内ですが、さわやかなフルーツの印象と後味のさわやかさがとても魅力的です。ぜひ、ご賞味くださいませ。



カシス、グレープ、オレンジピールの風味、ジューシーな後味、きめ細かい舌触り、スイートチョコ、ブラウンシュガーの甘さが魅力です。


地域:エル・プログレソ県/El Progreso

ラス・ミナス山脈/Sierra de las Mountain Ridge

農園:ラ・ベイヤ/La Blla

オーナー:テオドロ・インヘラルド4世/Teodoro Engelhardt

標高:1,600m

コーヒー栽培面積:75ヘクタール

生産処理方法:ウォッシュト(水洗式)/ Washed  屋根付きビニールハウス内のアフリカンベット、あるいはパティオでの乾燥処理

年間降水量:2,500~3,000mm

コーヒー栽培面積:60ヘクタール

農園総面積:200ヘクタール

品種:ビジャサルチ/Villa Sarchí

2014/06/26

パナマ・エリダ・ゲイシャ/フーリーウォッシュト

去年の3月上旬、はじめてパナマを訪問しました。コスタリカの買付を終え、首都サンホセのファン・サンタマリア国際空港からパナマ・ダヴィデ空港へ40分ぐらいのフライト。エクシクルーシブコーヒーのフランシスコさんがコスタリカに続き、行動を共にしてくれました。

パナマコは「ボケテ」「ボルカン」「カンデラ」の三つの主要地があります。私たちがくお付き合いのある農園の多くは、ボケテ地区にあります。「エリダ農園」や「ママカタ農園」はご記憶に新しいお客様も多いのではないかと思います。そして「ドン・パチ農園」や完売したばかりの「ドン・ぺぺ農園」があります。

パナマは小さい国で、年10万俵のコが生されますが、その70%が国内消に当てられており、地方消のためにコ入している国でもあります。生国にして消国でもあるわけです。面白いですね。また、生国でありながら、主要産業はコーヒーではなく、金融、物流、パナマ河がメインです。他の中米諸国とはこのあたりが大きく違います。

さて、空港に降り立ったとき妙に蒸し暑かったので温度
るとなんと37度!フランシスコさんが運転するレンタカーでボケテを目指します。むと徐々にしくなり最初の目的地、エリダ農園に到着したときの温は13度もの温差で24度でした。温も年通して温かく、道には南国の花がいたるところにほころんでおり、ちょうど北海道でしたら5月のGW前後のうららかな春の候といった感じです。

さて、パナマといえば
、ゲイシャという品種が注目される前と後で、コーヒーの歴史がかわったことで知られています。それは、ある特定の区画のロットから、エチオピア・イルガチェフェを彷彿とする華やかな香りを有するコーヒーが発見されたことにはじまり、2004年のベスト・オブ・パナマという品評会では、当時の最高価格でエスメラルダ農園が落札されて以来のことで現在もその人気は続いています。

はじめてのパナマ訪問でパナマコーヒーの歴史がゲイシャによってどう変わってきたのか、気になるところがたくさんありました。大変興味深い話をあちこちでお聞きいしたひとつに同じゲイシャでも、葉の色で品質が異なるというお話しです。

ゲイシャは葉の色によって「グリーンティップ」「ブラウンティップ」がある。カッピングによって判明したとのことでしたが、「グリーンティップ」の方が純粋なゲイシャに近いそうで、「ピュアゲイシャ」と呼んでいました。つまり、グリーンティップの芽が出たゲイシャはブラウンよりも美味しいとされる、とのこと。買付のカッピングの後でその説明の理由がよく理解できました。

買付時の、このグリーンティップのカッピングスコアですが、ダントツの個人最高点の94点でした。大変鼻息が荒い長文になってしまいましたが、ぜひお試しいただきたいパナマコーヒーです。
とにかく素晴らしくクリーンな味わいとバラのようなフレーバーやベルガモットにレモングラス、パッションフルーツといった様々なフルーツの香りがとても印象的です。

ゲイシャシリーズ第10弾、エリダ農園のピュアゲイシャとされる、グリーンティップをほんの少しなのですがご紹介させていただきます!(写真ではわかりにくいかもしれません)



8559322826_d251d89641_b ▲グリーンティップ



8559451366_0f6f1ba159_b ▲ブラウンティップ


Dsc00421 農園は国定公園の保護林に囲まれ、他の木を切り倒してコーヒーを栽培することは出来ないがオープンスペースがあり、そこで他の木を切らなければ植えて良い事になっています。

1918年より、ラマスタス一家によって営まれている、パナマのボケテ地区にある農園です。中米でもっとも高い火山のひとつ、バル火山の裾野にあります。大変急斜面で、標高1,6701,980mにあり、国内でもっとも標高が高い地域に位置しています。エリダ農園は国定公園内にあり、敷地全体で64ha、このうち30%がコーヒーが栽培されています。訪問時サビ病は発生していませんでした。

農園は国定公園の保護林に囲まれ、他の木を切り倒してコーヒーを栽培することは出来ないがオープンスペースがあり、そこで他の木を切らなければ植えて良い事になっています。

標高が高くなると、寒暖の差があってコーヒーの生育にはとても厳しい環境で、コーヒーチェリーが赤く熟するまでにはとても時間がかかるためコストがかかりますが、コーヒーチェリーの比重が重くなり、香りや酸の質がとてもユニークで豊かになります。ここでゲイシャを植えようと決断された、お父様のフェリペさんがこのエリアにかけた情熱は計り知れません。



Dsc00401 ▲左から3番目フェリペさん、左から2番目が息子さんで農園のマネージメントをされいます。



ジャスミン、ベルガモット、バニラの香り、レモンピール、パヒューム、ピーチ、オレンジ、青リンゴの風味、ハチミツ、ブラウンシュガー、キャラメルの甘さ、きめ細かく奥行きのある舌触り、百花蜜のような甘さが持続。


農園名: パナマ・エリダ/Panama Elida

地区:チリキ県/Chiriquí

小地区:ボケテ地区 アルト・キエル
/Alto Quiel,Boquete

農園主:
ラマスタス一家/Lamastus Family

標高:
1980m

品種
::ゲイシャ/Geisha

生産処理:フーリーウォッシュト
/Fully Washed
 

農園面積:64ヘクタールコーヒー栽培エリア:30ヘクタール

2014/06/23

アイスコーヒー抽出セミナーやります!

店内でのセミナーは久しぶりのご案内になります。しばらくお休みしていましたスタッフ主導のセミナーはこの7月から再スタートを切ります!狭い店内でのセミナーになりますが、毎月テーマを設けてコーヒーの魅力、愉しみ方をお伝え出来ればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


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日時:7月26日(土)13:00〜14:00

場所:横井珈琲

講師:高梨裕大


定員:5名


参加費:1,000円(税込)


締め切り/お振込期限:7月23日(水)19:00



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【お申し込み方法】

①お申し込みフォームの準備が整うまで、お電話のみとさせていただきます。
電話:011-667-1250 受付時間:10時から19時まで(火曜日を除く)

②参加費用のお支払い:店頭または銀行振込にて承ります。

振込先:北海道銀行 宮の沢支店 
口座番号:普通預金 0353927 (有)工房横井珈琲
※開催日の3日前まで、お支払いをお済ませください。

・お振込確認を持ちまして、受付完了とさせていただきます。
・振込期限を過ぎて入金がない場合は、キャンセルとさせていただきます。
・万が一、振込期限に間に合わない場合には、ご連絡ください。
※お振込手数料はお客様のご負担となります。
※お振込確認のご連絡は特にいたしておりません。
・ご入金確認できない場合はご連絡させていただくことがございます。


【キャンセル・遅刻について】

キャンセル希望の場合は、お電話にてご返金先口座番号と合わせてお知らせください。
※キャンセルの場合の返金時お振込手数料もお客様のご負担となります

開催3日前:振込手数料を差し引いた金額をご返金いたします。
開催2日以内前:受講料等はご返金できませんのでご了承ください。

2014/06/17

こころ震えた夜、井崎バリスタおめでとう世界一!

イタリア・リミニで6月9日~12日の期間に開催されていたバリスタの世界大会「2014 ワールド バリスタ チャンピオンシップ」(WBC)。日本代表、丸山珈琲小諸店」の井崎秀典バリスタが日本人初となるチャンピオンに輝きました。いや、本当に素晴らしい、何度言っても云い足りない「世界一、おめでとう!井崎バリスタ」


1 ▲リアルタイムに現地から届けられる画像の数々に胸熱く:左からモンテコペイのエンリケくん、井崎バリスタ、エクスクルーシブコーヒーのフランシスコさん、そして、丸山さん。


こころ震える感動とはこういうものか、と思うほど感動しましたし、この思いを自分ひとりの心の中にしまい込むにはもったいない、たくさんの思い出とたくさんの時間の中にしたためた思いと共に綴らせていただきたいと思った次第です。ちょっと長くなりますが、よろしければお付き合いください。

丸山珈琲の社長とはご存じの方も多いと思いますが、長いお付き合いをさせていただいており、買付にも時折ご一緒させていただいています。その長いお付き合いの中で今回の井崎秀典バリスタの優勝を見せていただいた訳ですが、優勝が決まった瞬間、こころの震えと共にもの凄い早さで様々な映像が駆け抜けたのです。その時、感動は震えに変わり、涙腺は崩壊してしまいました。今日はその「様々な映像」についてお話しいたします。

とても感慨深かったことのひとつに、今は丸山珈琲のヘッドロースターとしてご活躍の宮川賢司さんとの出会いが思い起こされました。それは2008年の8月のこと、横井珈琲にはまだエスプレッソマシーンはありませんでしたが、何とか一日も早く、エスプレッソドリンクの素晴らしさをお客様にお伝えしたく、店内改装中にバリスタのトレーニングを受けるため、丸山珈琲のトレーニングセンターの門を叩いたわけです。トレーナーはもちろん、数々のトップバリスタを生み出したキタのダイチ出身、阪本義治トレーナー。その時にサポートしてくれたのが宮川ロースターだったのです。2泊3日みっちりお付き合いいただきました。

宮川さんを知ったのは2007年のJBC(以下、ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップの略)でセミファイナリスト、翌年の2008年のJBCではファイナリストになられ、バリスタとして活躍されていた頃です。その後、宮川さんはポルタフィルターをテストスプーンに持ち替え、焙煎人として立たれました。今回、井崎バリスタが世界大会で使用された、コスタリカ・モンテコペイ マイクロミルの「ラ・メサ農園」の豆を焙煎されたんです。このことを想像しただけで、胸がいっぱいで井崎バリスタの優勝の感動は更に大きく広がりました。

バリスタの世界一を目指していた宮川さんが焙煎人として立場は変わりましたが、世界大会で戦うチームメイトが使う豆を焙煎するという焙煎人冥利に尽きる経験をされ、しかも世界一になったわけですから....素晴らしい感動が生まれました。

そして、それだけではありません。渡辺美代子さん(JBC 2008年3位)、関口学さん(JBC 2006年3位、2008年4位)のご活躍から、丸山珈琲として、はじめて世界大会(2012年ロンドン大会)に出場された中原見栄バリスタの躍進があったこと。

私がバリスタという職業に対し心からの敬意を抱くきっかけとなったのが、中原バリスタとの出会いからです。中原バリスタのプレゼンを聞いて切々と訴える生産現場の様子、バリスタとして伝えたこと、コーヒーの魅力がまっすぐに伝わって来たんです。その頃、生産者のこと、生産地にフォーカスしたプレゼンされるバリスタは珍しく、恐らく中原さんがはじめてだったのではないかと記憶しています。そして、「バリスタは生産者とお客様を繋ぐ架け橋」であること、「生産者、バイヤー、焙煎人の流れの中で、バトンという名のコーヒーをお客様にお渡しする最終ランナー」であること、そのいくつもの連鎖の中に横井珈琲も存在しているということを心に刻ませてくれたのが中原バリスタです。

そして、中原バリスタに次ぐ二人目の世界大会に出場され、2年連続のファイナリストという素晴らしい成績を収められた鈴木樹バリスタ。光栄にも鈴木バリスタと阪本トレーナーを横井珈琲にお招きし、2度もコラボセミナーをさせていただきました。この時、コスタリカの優良マイクロミル、シン・リミテスに寄せる思い、オーナーのハイメさんがどれほど細心の注意を払い処理されているかを切々と話され、こう続けられました。「シン・リミテスというコーヒーは、歴代の先輩達(関口さん、中原さん)が使われたコーヒーで、社長の丸山や横井さん達(JRNのみんな)がとても大切にされているコーヒーなので、大会に使わせてください...と簡単に言い出せませんでした。」今でも心に残っています。そして、二度目のバリスタトレーニングでは入社したばかりの鈴木バリスタが付きっきりでサポートしてくれた思い出も懐かしく、うれしいご縁です。

今回のリミニ大会に向けてのサポートは齋藤久美子バリスタ、齋藤さんも輝かしい経歴(2006年から2012年まで2度のファイナル出場、4度のセミファイナル出場)をお持ちです。私は日本に残ってインターネットで観戦していましたので、現地の様子は分かりませんが、世界大会に出場するバリスタを支えるということは誰もが出来ることではないと思います。支えると言えば「チームの力」それを強く感じた大会でもありました。

今年のコスタリカ・カップ・オブ・エクセレンスのチャンピオンはモンテコペイマイクロミル、まさに井崎バリスタが使用されたコーヒー「ラ・メサ農園」。この偶然の重なりがまたすごいこと。一杯のおいしいエスプレッソを生み出すため、若きバリスタと若き農園主が築き上げた結果は、後に続くバリスタや生産者のロールモデルになるに違いありません。これまでにない新しいバリスタと生産者の関係の誕生に心からの敬意と拍手を送ります!

心ひとつに生産者と共によろこび合えることこは、ダイレクトトレードの大きな魅力でもあり醍醐味でもあります。その関係は一夜にしてならず。重ねて来た小さな努力が動かない結果として連綿に繋がった夜。もう何日も経っていますが、ちょっと目を閉じるだけであの時の感動と心の感覚が蘇る。そして、自分たちもその輪の中にいることにもっと自信と誇りを持たねばならない、よしがんばろう!と誓った夜でもあった。何度言っても足らないぐらい言い続けたい、丸山さん、井崎バリスタ、チーム丸山珈琲の皆さん、何度もすいません!おめでとうございます!


Dsc00274 ▲モンテコペイ、エンリケブラザーズとのスナップ

2014/06/14

グアテマラ・ラ・ベンディシオン

2度目のご紹介となるラ・ベンディシオンは、グアテマラ西部のウェウェテナンゴ地域のラ・リベルタッド地区にあります。ここ周辺には皆様もよくご存じな、エル・インヘルト農園があります。この地区はカップ・オブ・エクセレンスのチャンピオンや上位入賞経験のある農園がいくつも点在している素晴らしい環境にあります。

オーナーのエデルフォさんが3世代で経営している中規模の農園で、朝日のあたる山の尾根にあり、雨量は年間1300mm~1400mmです。完璧な日光と、雨量の組み合わせが、チョコレートのような重さと華やかさのあるリッチなコーヒーを生み出しています。

開業当初は全く知らなかった生産地区、ウエウエテナンゴ地区を知ったのは、カップ・オブ・エクセレンスの国際品評会の存在と、品評会によって見出された生産地であることも知りました。そして、今も安定してよいコーヒーが生産される地区としてとても有名なウェウェテナンゴです。

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▲エデルフォご夫妻



花の香り、ピーチ、オレンジ、パッションフルーツの風味、
ミルクチョコ、ブラウンシュガーの甘さ、なめらかで奥行きのある口当たりが魅力です



農園名:ラ・ベンディシオン/La Bendicion

県:ウエウエテナンゴ/Huehuetenango

村:エル・パライソ ラ・リベルタッド地区/El Paraíso  La Liberdat

オーナー:エデルフォ・イダルゴ/Ederfo Idalgo

標高:1720~1800m

コーヒー栽培面積:15ヘクタール

品種:ブルボン、カトゥーラ、カチモール/Bourbon,Caturra,Catimor

収穫時期:2月~4月中旬

生産処理方法:水洗式/Washed

2014/06/13

ブラジル・イペ

イペ農園はセルトングループの創始者、イシードロ・ペレイラさんの頭文字(IP)をとってつけられました。この農園はカルモコーヒーズのジャックスさんの母方のファミリーの流れであり、ルイス・パウロの父方のファミリーの流れでもあります。また皆様もよくご存じのセハード農園はカルモコーヒーズのルイスさんの母方のファミリーの農園です。共にカップ・オブ・エクセレンスの入賞経験があり、カルモ・デ・ミナスを代表する優良農園です。



P1260220 ▲イペ農園のパティオ(乾燥場)から生産処理場を望む


ブラジルの国花をイペと云います。収穫時期に黄色いきれいな花がはいっぺー咲いています。

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これまでブログや様々な場面でお話ししたことがありますが、ここでまた少し、カルモ・デ・ミナスのコーヒーの歴史と今に繋がる流れを少しかいつまんで下記いたします。

農園を回ってみて、私たちと深い縁のある農園は尾根伝いに連なり広がっていることが分かりました。どこの農園でもよい時とそうでない時があるのは、長い間触れてきた体験で知ることが出来ます。例えば、クリスティーナ村のアグア・リンパは2002年のカップ・オブ・エクセレンスで落札しました。その時の2位は、同じ山のサンタ・エレナでした。やはり、高品質のコーヒーを生み出す条件には共通点があります。そして、コンスタントによいコーヒーが生まれるんですね。土壌、標高、降雨量、マイクロクライメイト(微小気候)によって育まれるコーヒーチェリーの謎解きの一端に触れることが出来ました。

カルモコーヒーズのルイス・パウロさんやジャックスさんのお父様もお祖父様も、その昔、ロースターと直接取引をした経験があることを聞きました。時は流れそういったビジネスから遠のいていた中に、1999年にブラジルで行われたカップ・オブ・エクセレンス(正しくはベスト・オブ・ブラジル)によってブラジルコーヒーを見る世界の目が変わり、ブラジルにおけるスペシャルティコーヒーの生産が本格化していきました。

そして、その流れの中で大きなうねりとなったのが、2002年のカップ・オブ・エクセレンスでチャンピオンになった前述のアグア・リンパでした。それまでこの地域のコーヒーはチェリーをそのまま乾燥処理する伝統的な処理方法である、ナチュラル製法でしたがパルプトナチュラルという処理方法によって今までにはない新しい高品質なブラジルコーヒーが誕生しました。

しかし、このパルプトナチュラルという処理方法にはそこそこの地域にフィット(土壌、標高、降雨量、マイクロクライメイト)するかどうかが問われてくるんですね。たちまちその周辺の生産者にパルプトナチュラルという生産処理方法が広まり、現在に至っておりますが、それでもその歴史は14年余りです。

2011年のチャンピオンのグロッタ・サオン・ペドロ(カルモ・デ・ミナス)もパルプトナチュラルを導入して10年(訪問時)と云お聞きしましたので、ちょうどアグア・リンパがチャンピオンになった影響が大きいと思います。当時の私たちにとって、カップ・オブ・エクセレンスのオークションに参加することは、かなり高いハードルでしたが、おかげで多くの生産国の素晴らしいコーヒーと生産者との絆を深めることが出来ました。

このおよそ10年余りを振り返って思うことは、カップ・オブ・エクセレンスのインターネットオークションによって出会った生産者と継続したお付き合いがいかに大切だということです。そうすることで、その周辺の生産者やコーペラティヴ(協同組合)やコミュニティ、そのご親戚やご兄弟の農園と繋がって行けるのです。

キーワードは「絆」と「繋がり」です。

絆を深めて行くためにはコミュニケーションが必要です。そのコミュニケーションが広がって、繋がっていく....そこにスペシャルティコーヒーの醍醐味があり、生産者と共によろこびあえる感動を強く感じるからです。ですから、私たちはその「魅力」を余すことなくお客様にお伝えすることが使命です。

イペ農園のパティの隣には牧場がありますが、馬の品評会で入賞するほどの名馬が生まれているそうです。また、ここでいただいたオレンジがおいしくって甘くって思わず目が寄ってしまったことを思い出しました。


P1260306 ▲帰るとき見送ってくれたイペ犬


スミレの香り。チェリー、アプリコットの風味。ミルクチョコ、ハチミツ、ブラウンシュガーの甘さ。奥行きのある口当たり。

農園名:イペ/IP

農園主:ルイス・パウロ・ペレイラ・ディアス・ペレイラ・イオートス/Luiz Paulo Dias Pereira e Outros

地域:ミナスジェライス州/Minas Gerais

町:カルモ・デ・ミナス/Carmo de Minas

農園規模: 701ヘクタール

コーヒー栽培エリア:138ヘクタール

標高:1,150m

生産処理方法:パルプトナチュラル※/Pulped Natural
【(生産処理呼称)コーヒーチェリーの果肉を除去し、粘液質(ムシラージ)を付着させたままの状態で乾燥させる方式の名称】

品種:イエローブルボン/Yellow Bourbon

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去年の12月オープンされたばかりとは思えない存在感を感じるのSUUさんはキッチン雑貨のお店です。開店以来6回目のコーヒー教室はアイスコーヒーの淹れ方編です。驚いたのはみなさんドリップが大変お上手でいらしたことです。特訓を重ねて来られたのではないか?と思うほどです。びっくりでした。(笑)

Img_8530 ▲おいしいコーヒーを淹れるために、おいしいコーヒーがお手許に届くまでの簡単な道のりをスライドを使ってお話しします。


夏は暑いので簡単に作れる水出しから急冷式のアイスコーヒーを同じコーヒー豆、SUUさんの夏のブレンドで味わっていただきました。そして、夏にふさわしい柑橘系の甘さを伴うきれいな酸を感じていただきたく、ケニア・テグで淹れた水出しコーヒーもご好評いただきました。

今回も私自身学びが多く、ご参加の皆様の感度の高さと笑顔に癒やされる愉しい一時をいただくことが出来ました。ありがとうございました!

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来月もアイスコーヒーの淹れ方セミナーを開催いたします。詳しくはSUUさんのFacebookページや横井珈琲のFacebookページにてご確認ください。


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2014/06/12

ボリビア・コパカバーナ

ご好評いただいているボリビアコーヒーの第3弾は、メルガールと同じ北ユンガス地域のロットをご紹介いたします。かつて、ラ・パス周辺において、鉱山で働いていた移民の方が集団居住により、「コロニー」というコミュニティを作って生活されている方が多くいらっしゃいます。車を所有しない多くの生産者は、その日に収穫したコーヒーチェリーをタクシーを利用して生産処理場に運び込みます。収穫のピーク時は、深夜12時を回っても続々と生産処理場にコーヒーチェリーが運び込まれます。そのユニークで特殊な運搬方法から、【タクシーコーヒー】と呼んでいます。


Dsc00932 ▲カラナビにあるアグリカブ社のラボにて買付のカッピング



アプリコット、青リンゴの風味、
ブラウンシュガー、キャラメルの甘さ。クリーミーな口当たり、
バランスのとれた味わいが魅力です。



Dsc00921▲タクシーで次々と持ち込まれる小規模生産者のコーヒーチェリーは厳しくチェックされます。つまり赤く熟したコーヒーチェリーだけ買いますよ、ということです。


県:ラ・パス/La Paz

地域:北ユンガス カラナビ /
North Yungas Caranavi

コロニー:コパカバーナ/
Copacabana

オーナー:
フリオ・ゴンザレス/Julio Gonzales  キスペ・ファウスト/Quispe Fausto  アンドレ・イラリオン/Andrade Hilarion

収穫時期:9月〜3月

生産処理:水洗式・静止乾燥機
/Washed  Stationary drier

発酵時間:16時間

乾燥時間:37時間20分

品種:
カツーラ、カツアイ/Caturra and Catuai

2014/06/08

5月の義援金集計結果のご報告

小さい取り組みではございますが、東日本大震災の復興支援の一助となればと願い、横井珈琲をご愛顧いただいているお客様にもご協力をいただきながら、支援協力の輪を広げるべく継続しています。 あの未曾有の東日本大震災から今年で3年を迎え、4年目となりました。犠牲となられた方々への心からのご冥福をお祈りすると共に、今なお、仮設住宅での暮らしを余儀なくされている方々に、一日も早く安穏の日々が戻ることを願うばかりです。

いつまでもいつまでも「3.11」のことと共に多くの方々の思いを忘れることなく、心を込めて出来ることを続けていきます。

〜5月分合計:18,610円〜 2011年3月からの累計:814,689円 

以上を、宮城県保健福祉部社会福祉課団体指導班宛てに振り込ませていただきました。


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2014/06/06

札幌いづみ幼稚園の家庭教育学級 コーヒー教室

今日は未来のお客様候補も含め、13名のお母さま方を対象にコーヒー教室をさせていただきました。全員の方がフレンチプレスで点てたコーヒーがはじめてという偶然も重なりました。

さて、幼稚園ですので当たり前ですが全部ちっちゃいんですよね。トイレも椅子も水道も...で、ちょっと座ってみました。

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教室の締めくくり、いつもそうですが最大の盛り上がりのポイントはガトー・ド・ノポロさんのケーキの時間です。今日は特別にアナナスのパウンドケーキ(パイナップル)を準備していただきました。今の季節にピッタリのケーキです。合わせたコーヒーは父の日ブレンド。未来のお客様も加わった愉しいコーヒー教室でした。

20140606_1106202


Facebookでも今日の様子をご覧になれます。https://www.facebook.com/yokoicoffee

鉄板コンビ

今月26日(土)HANDS COFFEE COLLEGEで使用するパンをブーランジェリー・コロンさんに探しに行きました。いつも心がけているのは、定番商品と季節感のあるもの、あるいは限定商品に決めています。今回ははじめていただいた時の感動が忘れられないカンパーニュ、フィグオランジュ。「フィグ(いちじく)」や「オレンジ」の風味は酸であったり香りであったりコーヒーの風味との共通店がいくつかあります。暑いこの季節ですので、さわやかな印象と云うことで決めました。
ところが、中々もう一品が決まらない....そんな時、いつもアドバイスをいただく高崎シェフ。今回は「バナナとチョコレートのデニッシュ」に決めました。


Dsc04049 ▲「バナナとチョコレートのデニッシュ」隣のパンは「フィグオランジュ」

Dsc04060 ▲「バナナとチョコレートのデニッシュ」の断面


デニッシュは甘いパンですよね、甘すぎないちょうどよい甘さ、しかもとても風味が素晴らしいんです。そして、鉄板の組み合わせ「バナナとチョコ」が生地に巻き込まれていてコーヒーの風味も感じられます。

店に戻ったのが閉店間際でしたので、スタッフ二人を巻き込んで味あわせをしました。で、「お腹もすいていると思うけど、おいしいのでくれぐれも食べることに集中しすぎないように(笑)」と注意を促したのでした。はい。


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【東急ハンズx横井珈琲コラボ】HANDS COFFEE COLLEGE 6月28日(土)
*事前予約受付は、本日10時からです。ご参加をお待ちしています!


こちらからどうぞ!


http://sapporo.tokyu-hands.co.jp/blog/3f/hands-coffee-college-1.html

2014/06/04

パナマ・ドン・ぺぺ・ゲイシャ/ナチュラル

ゲイシャシリーズの第9弾はドンペペ農園です。ここは、1898年から営まれている歴史ある農園で、中米でもっとも高い火山のひとつボケテ地区のバル火山の斜面に位置しています。


P1370147 ▲ドン・ぺぺ・エステイトのカッピングテーブル

さて、ここでゲイシャシリーズも残すところわずかとなって参りましたので、第1弾から振り返ってみましょう。

第9弾:パナマ・ドン・ぺぺ・ゲイシャ/ナチュラル

第10弾:パナマ・エリダ・グリーンティップ/フーリー・ウォッシュト

・・・じつはまだまだ続きます!お愉しみに。



メロン、パイナップル、ピーチ、オレンジ、トロピカルフルーツの風味。香水やジャスミンの香り、ブラウンシュガーの甘さ。広がりのあるクリーミーな質感。


農園名: ドン・ぺぺDon Pepe

地区:チリキ県/Chiriquí

小地区:ボケテ地区  ボルカンシート
Volcancito,Boquete

オーナー:
アントニオ・バスケス/Antonio Vasquez

標高:1,500m〜1,6000m


品種:ゲイシャ/Geisha


生産処理:ナチュラル  天日乾燥/Natural Process
Sun-Dryed

収穫期:3月~9月


  

簡単水出しコーヒーバッグ

ドリップバッグ同様、大変ご要望が多かったのが簡単に愉しめる水出しコーヒーでした。色々と検討の結果、「おいしくて」「簡単な水出しコーヒー」の準備は今週末に整う見込みですが、ショッピングカートとラベルシールの準備が整い次第、本格発売とさせていただきます。もう少しだけお待ちください!

001 ▲ラベルデザインは共通。パッケージ裏面に商品名(豆の名前)を表記いたします。

作り方は至って簡単。
不織布に挽き立てのコーヒーの粉(60g)を入れ、冷蔵庫で12時間かけて抽出します。ちょっとしたコツがありますので、作り方をパッケージの中に同封いたします。

◎おすすめのお水の量は800cc。二度に分けて加えます。
容器に水出しバッグを入れます。次に100ccぐらいのお湯を加え、抽出が促されるよう粉にお湯を馴染ませます。次に残りの700ccを加えたら、冷蔵庫に入れて12時間たったら出来上がりです。出来上がりの濃淡の調整は水の分量で調整してください。


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◎水出しコーヒーは3種類(予定)ご用意いたします。
・横井の夏
・ザ・アイスコーヒーブレンド
・おすすめシングルオリジン

いずれも清涼感がある後味スッキリで甘みを感じる味わいを目指しました。アイスコーヒーの作り方は器具別で複数の淹れ方がありますが、この水出しバッグは、ホントに簡単でおいしいアイスコーヒーをより身近に感じていただけると思います。コーヒーゼリーやフルーツのゼリーなどとご一緒に、ちょっとしたお使い物や贈り物にいかがでしょうか。よろしくお願いいたします!

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