こころ震えた夜、井崎バリスタおめでとう世界一!
イタリア・リミニで6月9日~12日の期間に開催されていたバリスタの世界大会「2014 ワールド バリスタ チャンピオンシップ」(WBC)。日本代表、丸山珈琲小諸店」の井崎秀典バリスタが日本人初となるチャンピオンに輝きました。いや、本当に素晴らしい、何度言っても云い足りない「世界一、おめでとう!井崎バリスタ」
▲リアルタイムに現地から届けられる画像の数々に胸熱く:左からモンテコペイのエンリケくん、井崎バリスタ、エクスクルーシブコーヒーのフランシスコさん、そして、丸山さん。
こころ震える感動とはこういうものか、と思うほど感動しましたし、この思いを自分ひとりの心の中にしまい込むにはもったいない、たくさんの思い出とたくさんの時間の中にしたためた思いと共に綴らせていただきたいと思った次第です。ちょっと長くなりますが、よろしければお付き合いください。
丸山珈琲の社長とはご存じの方も多いと思いますが、長いお付き合いをさせていただいており、買付にも時折ご一緒させていただいています。その長いお付き合いの中で今回の井崎秀典バリスタの優勝を見せていただいた訳ですが、優勝が決まった瞬間、こころの震えと共にもの凄い早さで様々な映像が駆け抜けたのです。その時、感動は震えに変わり、涙腺は崩壊してしまいました。今日はその「様々な映像」についてお話しいたします。
とても感慨深かったことのひとつに、今は丸山珈琲のヘッドロースターとしてご活躍の宮川賢司さんとの出会いが思い起こされました。それは2008年の8月のこと、横井珈琲にはまだエスプレッソマシーンはありませんでしたが、何とか一日も早く、エスプレッソドリンクの素晴らしさをお客様にお伝えしたく、店内改装中にバリスタのトレーニングを受けるため、丸山珈琲のトレーニングセンターの門を叩いたわけです。トレーナーはもちろん、数々のトップバリスタを生み出したキタのダイチ出身、阪本義治トレーナー。その時にサポートしてくれたのが宮川ロースターだったのです。2泊3日みっちりお付き合いいただきました。
宮川さんを知ったのは2007年のJBC(以下、ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップの略)でセミファイナリスト、翌年の2008年のJBCではファイナリストになられ、バリスタとして活躍されていた頃です。その後、宮川さんはポルタフィルターをテストスプーンに持ち替え、焙煎人として立たれました。今回、井崎バリスタが世界大会で使用された、コスタリカ・モンテコペイ マイクロミルの「ラ・メサ農園」の豆を焙煎されたんです。このことを想像しただけで、胸がいっぱいで井崎バリスタの優勝の感動は更に大きく広がりました。
バリスタの世界一を目指していた宮川さんが焙煎人として立場は変わりましたが、世界大会で戦うチームメイトが使う豆を焙煎するという焙煎人冥利に尽きる経験をされ、しかも世界一になったわけですから....素晴らしい感動が生まれました。
そして、それだけではありません。渡辺美代子さん(JBC 2008年3位)、関口学さん(JBC 2006年3位、2008年4位)のご活躍から、丸山珈琲として、はじめて世界大会(2012年ロンドン大会)に出場された中原見栄バリスタの躍進があったこと。
私がバリスタという職業に対し心からの敬意を抱くきっかけとなったのが、中原バリスタとの出会いからです。中原バリスタのプレゼンを聞いて切々と訴える生産現場の様子、バリスタとして伝えたこと、コーヒーの魅力がまっすぐに伝わって来たんです。その頃、生産者のこと、生産地にフォーカスしたプレゼンされるバリスタは珍しく、恐らく中原さんがはじめてだったのではないかと記憶しています。そして、「バリスタは生産者とお客様を繋ぐ架け橋」であること、「生産者、バイヤー、焙煎人の流れの中で、バトンという名のコーヒーをお客様にお渡しする最終ランナー」であること、そのいくつもの連鎖の中に横井珈琲も存在しているということを心に刻ませてくれたのが中原バリスタです。
そして、中原バリスタに次ぐ二人目の世界大会に出場され、2年連続のファイナリストという素晴らしい成績を収められた鈴木樹バリスタ。光栄にも鈴木バリスタと阪本トレーナーを横井珈琲にお招きし、2度もコラボセミナーをさせていただきました。この時、コスタリカの優良マイクロミル、シン・リミテスに寄せる思い、オーナーのハイメさんがどれほど細心の注意を払い処理されているかを切々と話され、こう続けられました。「シン・リミテスというコーヒーは、歴代の先輩達(関口さん、中原さん)が使われたコーヒーで、社長の丸山や横井さん達(JRNのみんな)がとても大切にされているコーヒーなので、大会に使わせてください...と簡単に言い出せませんでした。」今でも心に残っています。そして、二度目のバリスタトレーニングでは入社したばかりの鈴木バリスタが付きっきりでサポートしてくれた思い出も懐かしく、うれしいご縁です。
今回のリミニ大会に向けてのサポートは齋藤久美子バリスタ、齋藤さんも輝かしい経歴(2006年から2012年まで2度のファイナル出場、4度のセミファイナル出場)をお持ちです。私は日本に残ってインターネットで観戦していましたので、現地の様子は分かりませんが、世界大会に出場するバリスタを支えるということは誰もが出来ることではないと思います。支えると言えば「チームの力」それを強く感じた大会でもありました。
今年のコスタリカ・カップ・オブ・エクセレンスのチャンピオンはモンテコペイマイクロミル、まさに井崎バリスタが使用されたコーヒー「ラ・メサ農園」。この偶然の重なりがまたすごいこと。一杯のおいしいエスプレッソを生み出すため、若きバリスタと若き農園主が築き上げた結果は、後に続くバリスタや生産者のロールモデルになるに違いありません。これまでにない新しいバリスタと生産者の関係の誕生に心からの敬意と拍手を送ります!
心ひとつに生産者と共によろこび合えることこは、ダイレクトトレードの大きな魅力でもあり醍醐味でもあります。その関係は一夜にしてならず。重ねて来た小さな努力が動かない結果として連綿に繋がった夜。もう何日も経っていますが、ちょっと目を閉じるだけであの時の感動と心の感覚が蘇る。そして、自分たちもその輪の中にいることにもっと自信と誇りを持たねばならない、よしがんばろう!と誓った夜でもあった。何度言っても足らないぐらい言い続けたい、丸山さん、井崎バリスタ、チーム丸山珈琲の皆さん、何度もすいません!おめでとうございます!
▲モンテコペイ、エンリケブラザーズとのスナップ
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