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2014/06/13

ブラジル・イペ

イペ農園はセルトングループの創始者、イシードロ・ペレイラさんの頭文字(IP)をとってつけられました。この農園はカルモコーヒーズのジャックスさんの母方のファミリーの流れであり、ルイス・パウロの父方のファミリーの流れでもあります。また皆様もよくご存じのセハード農園はカルモコーヒーズのルイスさんの母方のファミリーの農園です。共にカップ・オブ・エクセレンスの入賞経験があり、カルモ・デ・ミナスを代表する優良農園です。



P1260220 ▲イペ農園のパティオ(乾燥場)から生産処理場を望む


ブラジルの国花をイペと云います。収穫時期に黄色いきれいな花がはいっぺー咲いています。

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これまでブログや様々な場面でお話ししたことがありますが、ここでまた少し、カルモ・デ・ミナスのコーヒーの歴史と今に繋がる流れを少しかいつまんで下記いたします。

農園を回ってみて、私たちと深い縁のある農園は尾根伝いに連なり広がっていることが分かりました。どこの農園でもよい時とそうでない時があるのは、長い間触れてきた体験で知ることが出来ます。例えば、クリスティーナ村のアグア・リンパは2002年のカップ・オブ・エクセレンスで落札しました。その時の2位は、同じ山のサンタ・エレナでした。やはり、高品質のコーヒーを生み出す条件には共通点があります。そして、コンスタントによいコーヒーが生まれるんですね。土壌、標高、降雨量、マイクロクライメイト(微小気候)によって育まれるコーヒーチェリーの謎解きの一端に触れることが出来ました。

カルモコーヒーズのルイス・パウロさんやジャックスさんのお父様もお祖父様も、その昔、ロースターと直接取引をした経験があることを聞きました。時は流れそういったビジネスから遠のいていた中に、1999年にブラジルで行われたカップ・オブ・エクセレンス(正しくはベスト・オブ・ブラジル)によってブラジルコーヒーを見る世界の目が変わり、ブラジルにおけるスペシャルティコーヒーの生産が本格化していきました。

そして、その流れの中で大きなうねりとなったのが、2002年のカップ・オブ・エクセレンスでチャンピオンになった前述のアグア・リンパでした。それまでこの地域のコーヒーはチェリーをそのまま乾燥処理する伝統的な処理方法である、ナチュラル製法でしたがパルプトナチュラルという処理方法によって今までにはない新しい高品質なブラジルコーヒーが誕生しました。

しかし、このパルプトナチュラルという処理方法にはそこそこの地域にフィット(土壌、標高、降雨量、マイクロクライメイト)するかどうかが問われてくるんですね。たちまちその周辺の生産者にパルプトナチュラルという生産処理方法が広まり、現在に至っておりますが、それでもその歴史は14年余りです。

2011年のチャンピオンのグロッタ・サオン・ペドロ(カルモ・デ・ミナス)もパルプトナチュラルを導入して10年(訪問時)と云お聞きしましたので、ちょうどアグア・リンパがチャンピオンになった影響が大きいと思います。当時の私たちにとって、カップ・オブ・エクセレンスのオークションに参加することは、かなり高いハードルでしたが、おかげで多くの生産国の素晴らしいコーヒーと生産者との絆を深めることが出来ました。

このおよそ10年余りを振り返って思うことは、カップ・オブ・エクセレンスのインターネットオークションによって出会った生産者と継続したお付き合いがいかに大切だということです。そうすることで、その周辺の生産者やコーペラティヴ(協同組合)やコミュニティ、そのご親戚やご兄弟の農園と繋がって行けるのです。

キーワードは「絆」と「繋がり」です。

絆を深めて行くためにはコミュニケーションが必要です。そのコミュニケーションが広がって、繋がっていく....そこにスペシャルティコーヒーの醍醐味があり、生産者と共によろこびあえる感動を強く感じるからです。ですから、私たちはその「魅力」を余すことなくお客様にお伝えすることが使命です。

イペ農園のパティの隣には牧場がありますが、馬の品評会で入賞するほどの名馬が生まれているそうです。また、ここでいただいたオレンジがおいしくって甘くって思わず目が寄ってしまったことを思い出しました。


P1260306 ▲帰るとき見送ってくれたイペ犬


スミレの香り。チェリー、アプリコットの風味。ミルクチョコ、ハチミツ、ブラウンシュガーの甘さ。奥行きのある口当たり。

農園名:イペ/IP

農園主:ルイス・パウロ・ペレイラ・ディアス・ペレイラ・イオートス/Luiz Paulo Dias Pereira e Outros

地域:ミナスジェライス州/Minas Gerais

町:カルモ・デ・ミナス/Carmo de Minas

農園規模: 701ヘクタール

コーヒー栽培エリア:138ヘクタール

標高:1,150m

生産処理方法:パルプトナチュラル※/Pulped Natural
【(生産処理呼称)コーヒーチェリーの果肉を除去し、粘液質(ムシラージ)を付着させたままの状態で乾燥させる方式の名称】

品種:イエローブルボン/Yellow Bourbon

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