ブラジルCOE・レイト・ハーベストから戻りました!
ブラジルCOE(カップ・オブ・エクセレンス)レイトハーベストの審査を終え、シカゴから成田に向かう機内で書いています。私のFacebookや工房横井珈琲のFacebookページ、あるいはまたJapan Roasters' NetworkのFacebookページでも今回の様子をお知らせしていますので、ここではちょっと角度を変えて書き進めます。
▲1位のSitio Biaixadao農園のオーナー、Antonio marcio da Silvaさん(右から3番目)
去年のブラジルCOEアーリーハーベストは1999年に第1回目のCOEベスト・オブブラジルが開催されてより100回目を迎え、これまでこの品評会を支えてこらえた伝説とも云うべき審査員方を招いての記念開催となりました。ITC国連プロジェクトから発展し、国際品評会への高まり、さらにはインターネットオークションを開催することを提唱されたスージー・スピンドラー女史は、この記念開催をもって最高責任者としての大役を退かれました。スペシャルティコーヒーの原点を底辺から支え、発展に導かれたご功績は自分の中では例えようもありません。
どこまでも小規模生産者に分け入り、最前線で支え取り組まれました。私は正義心の強い姿に非常に感銘を受、品評会でご一緒させていただく度、背筋が伸びる思いでした。大役を終えたスージー・スピンドラー女史に心からの感謝と共にこのプログラムの立ち上げから20年余り、その遺されたご功績に心からの敬意を表します。ここに一つの歴史が刻まれたように思います。そして、ここからが新しい歴史の始まりです。
▲2010年ルワンダCOEのスナップ(真ん中がスージー・スピンドラー女史)
そんなたくさんの思い満タンで迎えた2015年最初の品評会も奇しくもブラジルからスタート。アラシャというミナスジェライス州のセラード・ミネイロ地区の小さな町にある大学の施設をお借りして行われました。初日はおとなしめなナチュラルロットが大半を占めましたが、2日目から腰を抜かしそうなロットが幾つか現れ、「そうこなくっちゃ…」と、心の中で審査中につぶやいたのでした。
最終日のトップ10では4つのロットが90点を超えるプレジデンシャル・アワードに讃えられました。この品評会の魅力は生産者に敬意を表し賞賛を讃えるところにあると思います。一年の結果ですからね。
そして、このセレモニーは生産者の晴れ舞台なのです。そんな思いが反映してか、トップ10からの発表は審査員全員が立ち上がって拍手で讃えたのです。その輪の中にいることが出来たことは本当にありがたく感謝の気持ちでいっぱいでした。
そして、カルモコーヒーズのジャックスさんが6位に入賞のアナウンスが会場に響き渡った時、感激はもちろん、現地でお祝いできたことがありがたく、カンブライアさんをはじめ共に歩んでくれた10数年の道のりを思うとき、決して楽な道のりではありませんでしたが、とても感慨深く思わせていただきました。 ことにサマンバイア農園のあるサント・アントニオ・デ・アンパーロは特に雨が少なく、コーヒーの生産にとても苦労されたとお聞きしました。それだけに入賞のよろこびは大きかったのだと思います。よろこびあう、分かち合うことこそ、特別な思いが募ります。
▲ジャックスさんと奥様のマリアナさん
カンブライアさんに「皆に見せたいから賞状を持って写真撮らせてください!」と伝えると、「ヨコイサンモッテ!カンブライアサン、シャシントリマス!」とにっこり微笑んでくれました。そして僕のiPhoneを手に取り撮影してくれたんです。(笑)うれしかったな。
コーヒーの仕事を選んで開業した19年前、生産者のことなど知るよしもなく過ごしていた脱サラコーヒーマン(笑)は、ITC国連プロジェクトによって生産者の素晴らしさとスペシャルティコーヒーを知るきっかけとなりました。ですから、このカップ・オブ・エクセレンスのプログラムに私自身が育まれたと云っても過言ではありませんし、数多くの素晴らしい生産者との出会いは落札を機にお付き合いが始まりました。
さて、1位の農園はカツアイという品種で赤い実と黄色い実をミックスして作った特別ロットで挑み、見事1位に輝きました。セレモニーの時、わずか5ヘクタールの農地とお聞きし更に興奮が高まりました。息子さんとご一緒にセレモニーにお越しになられていましたが、顔をくしゃくしゃにしてステージに向かうオーナーと息子さんの表情にまたぐっときてしまいました。 この品評会のインターネットオークションは3月です。その結果を愉しみにお待ちください。
待望のお寿司をいただいて大満足。また明日から変わらない毎日を精一杯大切に過ごして参ります。もう少しで搭乗時刻。セロくんとノンちゃんが待つ、キタのダイチに帰ります!ではまた!