年の初めに生産者のことを想う
コーヒーの味は焙煎で創られ、抽出で完成する....と勝手に豪語していた開業当初の頃を懐かしく思い出します。昔も今も確かに焙煎はとても大切なファクターでありますが、スペシャルティコーヒーに出会った1999年秋、その考えは音を立てて変わりました。(笑)「品質なんだ....」ということです。
自分の思いをコーヒーに足してもいけない、また生豆の個性を引いても(無くしても)いけないということを知ったときはちょっとショックでした。(笑)今から15年も前、何もわからなかった自分はちゃんと学ばねばならないと猛勉強をしたつもりでしたが、さっぱりわかちゃいなかっんですね。基本が出来ていなかった。その頃、Japan Roasters' Networkの皆に出会いました。焙煎はもちろん、カッピングも必死に勉強しはじめました。SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が設立されセミナーにも足繁く通いました。振り返るとその頃でもやはりわかっちゃいなかった。わかっていないという認識がなかった。かなりの重傷(笑)
はじめての生産地はエルサルバドルとニカラグアでした。その翌年の2007年、カップ・オブ・エクセレンス(COE)の審査員として再びニカラグアへ。極度の緊張でガチガチでした。そこで今まで味わったことがないカラダの中心から沸き上がる感動を味わったんです。後にWBCのジャッジも担われたアメリカの審査員がファイナルラウンドが終わった瞬間こう云ったんです。
「みんな国に帰ったら、ニカラグアにはこのように素晴らしいコーヒーがあることを伝える義務がある....」会場はスタンディングオーベーションです。
そして、2009年はホンジュラスCOEの品評会に。このブログを読んでくださっている方はご存じの通り、ここでカングアルの生産者の皆様に出会ってしまったんです。もうあの時のことは忘れられません。私の原点がこの地図にもないトイレもないカングアル村です。
この方々のために自分は何が出来るのかを自問自答し、目的と目標がはっきりと定まった時でもあります。
2004年、はじめてのCOEが開催され初代チャンピオンのグレゴリさんと落札を機にお付き合いが始まり、カングアル村の小規模生産者にご縁が繋がりました。詳しくは過去ログに譲りますが、今年はカングアル村の中でも特に素晴らしい生産者のロットをバキュームパックで買うことが出来ました。長い時を経て品質向上策がここに実ったことを思うと胸がいっぱいになり、テスト焙煎をしてまた胸がいっぱいになり、カッピングをして胸がいっぱいになりました。そのコーヒーはマリア・アルカディアさんのコーヒーです。(まだ小ロットで複数ありますので、順にご紹介していきますね)
この他、今年はコスタリカからもいくつかとても小さいロットで細かく特別なロットが届いています。これを機会に去年の春にお終いにした「FERTILE」を復活させようと計画しているんです。(スタートは2008年12月)
焙煎している時もカッピングしている時も、みなさん(生産者)の顔が思い浮かんできますので、遠くて近い存在がとても心強いのです。また、海の向こうの「叔父さん」「叔母さん」のような安堵感と支えてくださっている感覚がとてもありがたいのです。この思いだけは誰にも譲りたくはありません。
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